「みうらじゅん マイ遺品展」で見かけたひょうたん

by 丸黄うりほ 

①栃木県民芸品「ふくべ細工」(「安田ひょうたん店」にて撮影)

②みうらじゅん氏の新作「コロナ画55」

③「ひょうたん君」が描かれていました!

④「甘えた坊主」コーナー

⑤ここにもひょうたんが!

⑥「テングー」コーナーでもひょうたん発見!

⑦喫茶室ではこんなどら焼きをいただきました。 ※②〜⑦は「みうらじゅん マイ遺品展」撮影OKゾーンで撮影

アサヒビール大山崎山荘美術館で開催中の「みうらじゅん  マイ遺品展」に行ってきました。みうらじゅん氏といえば「マイブーム」「ゆるキャラ」といった言葉を作り出した人。エッセイを書いたり漫画や絵を描いたりするだけでなく、値打ちがあるのかないのかわからない大変微妙なモノを、独自としか言いようのないセンスで蒐集している人としても知られていますよね。

そんなみうら氏の蒐集品のなかに、氏が「ひょうたん君」と呼ぶ一群があることを私は事前に知っておりました。これは、おもに栃木県の民芸品で、かんぴょうの皮やひょうたんから作られる「ふくべ細工」というもの。参考までに、写真①は、岐阜県養老のひょうたん専門店「安田ひょうたん店」で撮影させていただいた「ふくべ細工」たち。ま、こんな感じのものであります。

ですが、今回の展覧会は撮影OKエリアが制限されていて、どうやら「ひょうたん君」は撮影不可エリアにあるということも事前に調べてわかっていました。そんなわけで正直、ひょうたん的にはあまり期待していなかったのですが……。

いやー、やはり面白かったです!いやげもの、カスハガ、冷マ、ゴムの蛇、尿瓶などさまざまな「マイブーム」の品々から、中学時代のスクラップ、最近のコラージュ作品まで。集められ、分類され、陳列されているモノたちから発せられる、むあ〜っとした存在感はすごかったです。

展示室1のガラスケースのなかには、目当ての「ひょうたん君」たちもそろっていました。やはり撮影不可エリアでしたが、みうら氏の集めたひょうたんを見るだけでもじゅうぶん楽しかったです。

展示室は7まであり、そのうち展示室4だけが撮影OKエリアになっていました。このゾーンで最も見応えがあったのは、みうら氏がコロナ禍のなかでこもって制作したという「コロナ画55」という絵画です。おそらく曼荼羅を下敷きにしていると思われる巨大な絵で、みうら氏の「マイブーム」やお気に入りの仏像、芸能人の顔などが随所に散りばめられています(写真②)。

その絵のなかに……ちゃんといました!みうら氏自画像キャラ「カエル」の、これまた微妙な身体部位にのっかった……「ひょうたん君」発見です!(写真③)

いやもう、これが見られたらひょうたん的にも大満足、と思っていたら、展示室4のなかで、ほかにもひょうたんが見つかりました。「甘えた坊主」のコーナーで発見したのが、「善光寺」のシールが貼られたひょうたんです(写真④⑤)。そして、「テングー」のコーナーでもひょうたん発見!(写真⑥)  これまた何とも困った形をした鶴首ひょうたんですね。お鼻の先にあるポチっとした部分が、ひょうたんの蔓につながる命を感じさせます。

とにかく展示を見るだけでおなかいっぱいになりましたが、喫茶室に立ち寄って、コーヒーとともに「マイ遺品展  特製どら焼き」なるものをいただきました(写真⑦)。

「みうらじゅん  マイ遺品展」は、3月6日(日)まで。残りの日はわずか、気になった方はぜひお出かけください。(詳しくは公式サイトへ)

(707日目 ∞ 3月4日)

 

※次回708日目は奥田亮「でれろん暮らし」、3月7日(月)にアップ。

709日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、3月8日(火)にアップします。