北野天満宮の節分②福豆にひょうたん!
by 丸黄うりほ
「福の神」がふわっと登場しただけで、あっという間に鬼が降参する。茂山千五郎社中による「北野追儺狂言」を見て、「福の神」の圧倒的な強さに感激した私。その心地よい余韻に浸っていたら、神楽殿では次の演目が始まりました。上七軒歌舞会のみなさんによる日本舞踊の奉納です。
舞妓さんたち、本当に可愛らしいですね。「北野追儺狂言」を見ている時の私は、「とにかくひょうたんをカメラに収めねば!」ということで血眼でしたが、こちらのほうは心に余裕をもって見せていただくことができました。気のせいか、撮った写真も引きになっている。これだと全体の様子がよくわかりますよね(写真①)。
日本舞踊が奉納された後は、「福の神」や「神職さん」役の中の人も再び舞台に登場し、舞妓さんたちと並んで恒例の豆まきです。ただし、今年は袋入りの豆は投げずに、観客に手渡しで授与してくださるとのアナウンス。コロナ対策ということでしたが、奪い合いで「福豆」をゲットできる自信がなかった私にとっては、そのほうが数倍ありがたい! 喜んで列に並びました。
いただいた「福豆」のパッケージを見て、私は再び小躍りしました。赤色の袋には舞妓さんが、緑色の袋には鬼が、黄色の袋には「福の神」が。そして、どの袋にも梅と、ひょうたんがばっちり描かれています!(写真③)
災難をよけ、厄をよけてくれるというこの「福豆」。授与所にも並んでいましたが、追儺狂言を見た人々にはもれなく配ってくださるという太っ腹。しかも、袋に書かれた説明を読むと「当たり付き」だそうで、なかに当たりが入っていたら授与所で記念品をいただけるとのこと!わくわくしますね!
さてさて。神楽殿での奉納神事の後、私は北野天満宮の境内を散策することにしました。まず、探したのは「福の神」が祀られているという摂社「福部社」です。昨日も言いましたが、福部、ふくべとは、ひょうたんの別名。つまり、「福の神」はひょうたんの神様だと考えてもよいのでは?「おたふく」の顔型もひょうたんに似ていますし……。
そんなことを考えていると、目の前にありました!灯篭に囲まれた小さなお社ですが、はっきり「福部神社」と掲げられています。(写真⑤⑥)
立て札には、「摂社 福部社、祭神 十川能福、神徳 開運招福の神、例祭日 三月十二日」とあります。「福の神」には、十川能福(そごうのうふく)というお名前もあったのですね。続けて読むと……。
「祭神十川能福は、菅公に仕えた舎人(牛車を引く牛の世話役)であるが、その祭神名や社名より、いつの頃よりか金運と開運招福をつかさどる「福の神」として崇敬を集めるようになった。」
なんと、十川能福さんは、天満宮で神の使いとされている牛をお世話していた人物なのですね!ひょうたんから牛、牛からひょうたん……。そんな連想を頭の中でぐるぐるしていると、ふと、七夕の牽牛も牛飼いということになっているけど、それと何か関係があるのかな?と思ったりもしました。
(692日目 ∞ 2月9日)