ひょうたんはアートだ!青春だ!(前編)
by 丸黄うりほ
ヒョウタン総合研究所所員のふじっこさんと一緒に、有馬温泉に行ってきました。
有馬温泉は、豊臣秀吉が愛した温泉として知られています。そして、秀吉といえばひょうたんの馬印。……というわけで、ここにはいろんなひょうたん物件があるようだぞ?というニオイを私たちはずいぶん前から嗅ぎ取っていました。しかし、ヒョウタン総合研究所として足を運んだのは今回が初めて。
「これはいよいよ行かねばならぬ!」ということになったのは、「有馬温泉に不思議なひょうたんアートが出現しているようですよ!」という情報を複数筋からいただいたためです。ひょうたんアートの展示は期間限定。これは見逃すわけにはいきません。
「いざ参らん!出会え出会え!」ということで私たち二人は電車に乗って有馬温泉へ向かいました。朝9時に有馬入りし、温泉に浸かったり、お土産屋さんでタンサン煎餅を買ったりして厳しいひょうたん修行。そのなかで数多くのひょうたん物件に出会うことができました。これら有馬の町レポはまた日を改め、後日じっくり報告したいと思います。
さて。きょうと明日は、今回いちばんの目当て・ひょうたんアートの紹介をしていきましょう!
有馬温泉駅を出るとすぐに、有馬川が流れています。その川にかかる橋の一つが太閤橋。そして、その奥にある二本目の橋がねね橋と呼ばれています。
川沿いの道を歩く私たちの目に飛び込んできたものは……、真っ赤なねね橋にぶすっと突き刺さった巨大ひょうたんです!(写真①)
うわぁ、なんというシュールな光景!
ひょうたん好きとしては大興奮ですが、いったいこれ、どうなっているの?
……というわけで、近くヘ寄って見てみました。橋の下から見上げると、巨大ひょうたんがビニールの気球でできていることがわかります。遠くから見ると突き刺さっているように見えるけど、橋の下と上でパーツが分かれていることも判明。そして、緑色をしたひょうたんの表面にはスタンプを押したような模様がたくさんついています(写真②③)。
この模様をよーく見ると、裏返しの「タンサン」という文字が読めました。もしかしたらこれは、本物のタンサン煎餅に絵の具をつけてペタペタと押してあるのでは?
橋の上のほうはどうなっているのかな? ……と見に行ってみると、こちらもびっくり!
ひょうたんをタテに割ったような物体が置かれています。下から見ると橋にぶっ刺さっているように見えるひょうたんの上部は、こんなふうになっていたのですね(写真⑤)。目の錯覚を利用した、面白い作品です。
ひょうたん上部の表面にもタンサン煎餅のスタンプがいっぱい押されていました。また、ひょうたんの切り口部分には、色とりどりのひょうたん型スタンプも。
作品の横には説明文がありました。タイトルは「愛をこめてひょうたんを 〜Come back 青春〜」。その下に「THE BIG GOURD filled with love 〜Come back Aoharu〜」とも書かれています。この作品を制作したのは松蔭中学校・高等学校美術部だということもわかりました。
ひょうたんに所縁のある有馬とはいえ、いまどきの中学生や高校生が「ひょうたん愛」をテーマに選んでくれた!うれしくて私たちは有頂天になりました。再び橋の下を見ると、制服を着た学生らしき女の子たちが数人いて、赤や緑色をした、赤ちゃんか猫くらいの大きさのひょうたん型を抱え、駆け回ったり、集まってなにか相談をしたりしています。「きっとあの子たちが美術部ですよ!」と、ふじっこさん。
というわけで、私たちは再び橋下に降りてゆき、彼女たちとの接触を試みました……。(続きは明日!)
(644日目∞ 11月24日)