ひょうたん型のカボチャを食べてみた
by 丸黄うりほ
先日、スーパーの産地直産品コーナーでひょうたん型のカボチャを見つけました。ラベルには生産者のお名前と、「和歌山県産 かぼちゃ バターナッツ」とあります。そして、価格はたったの100円。これは安い!
買ってから、私はふと以前あったことを思い出しました。前にやはりスーパーの産地直産品コーナーでひょうたん型のカボチャを見つけ、1個まるごとカレーにしたのです。……が、これが大変苦かった!濃いカレー味で煮込んでいるのに、一口ではっきりとわかるほどの苦味があったのです。
これはどういうことか?といいますと、昨日の日記でも少し書いたんですが、カボチャとひょうたんは同じウリ科の植物で、どちらも雌花と雄花が咲きます。雄花の花粉が雌花の花芯に着くと受粉し、うまくいくとそれが実になる。そう、この二つの植物は交雑するのです。カボチャの近くにひょうたんが植えてあって、花に誘われてやってきた虫が花粉を運ぶと、あら不思議?ひょうたん型のカボチャが実った!ということが起こりうる。
そして、ひょうたんと交雑したカボチャには苦味が出ます。この苦味の正体はククルビタシンという成分。食べると嘔吐、腹痛、吐血などを引き起こす、結構恐ろしい毒なのです。というわけで、私はせっかく時間をかけて作ったカボチャのカレーを出来立てのまま、ごっそりと捨てる羽目になりました。
今回気になったのは、価格のあまりの安さでした。ふつう、バターナッツという品種のカボチャは1個300円とか400円とかします。それと、バターナッツは確かにひょうたん型なのですが、よく見かけるものはベージュ色をしている。しかし、このカボチャは濃い緑色です。
もしかしたら、濃い緑色のカボチャとひょうたんの交雑したものをバターナッツと表示して売っているのではないか?まさか、まさか、そんなことはないよね、と思いつつも、私は前回の失敗を繰り返してはならないと思い、今回は半分だけ切って、シンプルに塩ゆでにして味見をしようと思いました。
ゆで上がるとこんな感じ(写真④)。カボチャというよりメロンみたいな色をしています。一切れ食べてみると……、
あっさりして、ちょっとズッキーニみたいな味わい。オリーブオイルと合いそうです。
心配していた苦味はまったくありませんでした。
疑ってごめんよ、バターナッツ!おいしいひょうたん型のカボチャ、バターナッツ!
(592日目∞ 9月8日)