ヒョウタン型のヒョウタンの蕾を見るのは久しぶり

by 奥田亮

百成の雌花

 

最近、朝夕にカッコーの声がよく聞こえます。いつもどこかの木立の中からエコーがかかったようなよく響く大きな声が聞こえるばかりで、姿が見えないのですが、先日はじめて実際に鳴いている姿を発見しました。声が大きいので大きな鳥かと思えば結構小さくて、ツグミぐらいの大きさなんですね。さすがに朝の5時頃から鳴かれると目覚まし時計よりも目覚まし時計らしい声なので飛び起きてしまいます。

だいたいは正しい発音で「カッコー、カッコー」と聞こえるのですが、何かしら心持ちが悪いことがあるのか、急ぎの案件があるのか、時々「ハッホホホーッ、ハッホホホーッ、ハホハホハホーホー!」と鳴きながら空を駆けることがあります。

時が経つのは早いもので、とくに何もしてないのにもう1週間経ってしまいましたが、植物は着実に1週間分の成長をしていて、ヒョウタンもいよいよ子蔓を摘心し、孫蔓を伸ばし始めました。よく見るとふじっこさんのところから来た百成に雌花らしき蕾ができています。ここ数年、長瓢やアメリカ瓢など、ヒョウタン型ではないヒョウタンを栽培していたので、ヒョウタン型のヒョウタンの蕾を見るのは久しぶりな気がしてしばし眺めておりました。

先週に引き続き、成長の一番頭はこぼれ種のコボちゃん。孫蔓数本が版図を広げ、近くの植木を駆け上り始めました。元気です。まだ雌花がつかないのでわからないのですが、コボちゃんはどんな品種なでしょう。

水場の近くのもう一つのこぼれ種イプは、どうも土が固いのか、成長が遅く、ようやく巻き蔓が出始めたばかり。このまま育つかどうか、しばし見守りです。ふと見ると、なんと水道の蛇口近くに落ちていたヒョウタンの種が、まだ勝手に芽を出しています。土もない状態なのでさすがにこれは育たないと思いますが、種というのは条件が合うと一気に生命活動を起動させるんですね。

水道の蛇口近くに落ちていた種が発芽。これもイプっぽい。

じつは、こぼれ種はヒョウタンだけでなく、菜園のあちこちにあります。植えた覚えのない赤紫蘇、毎年どこかから生えてくるニラ、こぼれ種にしては態度がデカく、菜園全体を見下ろすように君臨しているひまわりなど…。さらに今年のこぼれ種のトピックは、なんといってもゴボウでした。

食べられる観葉植物「ゴボウ」

ゴボウは、数年前に一度植えたのですが、土が石だらけでうまく収穫できず、捨て置かれた根っこから毎年新しい芽が出ていました。昨年はそれが思わぬところから顔を出して巨大化。そのままイガイガのやっかいな花を咲かせて枯れたのですが、その花から出た種が周囲にバラまかれていたようで、今年の春、おびただしい数のゴボウが広範囲に芽を出したのでした。どうしたものか思案の末、一つ掘り返して鉢に移植し、本屋に置くことにしました。ゴボウは葉っぱが大きくて鑑賞用にも面白いので、観葉植物として楽しむことにしたのでした。枯れた後は鉢の中で育っているはずのゴボウを食べることもできます。

ゴボウだけでなく、採り時を逃した春菊が花をつけたので(春菊ってホントに菊だったんだ!)、これも花瓶に生けて飾ろうかと思います。ときどき葉っぱをちぎって食べながら。「食べられる観葉植物」ってちょっといいではないですか、でれろん。

春菊の花

(553日目∞ 7月12日 )