伊福部昭の印影はイ(井)+フクベ(瓢)だった!
by 丸黄うりほ
昨日、5月31日は日本が誇る作曲家、伊福部昭さんのお誕生日でした。googleトップページもまさかの伊福部さん!現代音楽、クラシックファンはもちろんですが、映画『ゴジラ』の主題歌などたくさんの映画音楽を作曲してきた人なので、おそらくその作品を聴いたことがないという日本人はいないのではないか。花形文化通信の「巻上公一さんインタビュー6/6」でも話題になっていましたね。
その伊福部昭さんの印影がひょうたんだ!ということを最初に私に教えてくださったのは、現代音楽マニアの友人・ヤマメさんです。
伊福部さんの公式ウェブサイトをみたら、確かにひょうたんが出てきました!しかも、口部が長めで味のある、なんとも良い形のひょうたんです!
そこに書かれている説明文を書き写しますと……。
「この印影は、伊福部先生自身が彫られたもので、「井戸」と「瓢箪」と言う意匠、即ち、イ(井)+フクベ(瓢)を表しています。ユーモアに富んだ伊福部先生の人となりが伺えます」
先週金曜、522日目の「ひょうたん日記」で、ひょうたんの和名「ひさご」について考えてみましたが、ひょうたんにはもうひとつ「ふくべ(福部)」という和名もあるのです。確かに、伊福部という名前には「ふくべ」が含まれている!
ウェブサイトの説明文では「ユーモア」と書かれていましたが、伊福部昭さんの先祖は鳥取県の宇倍神社の神職だったそうですから、井戸とひょうたんに深い意味を込めてらっしゃったのではないかという気もします。
そこで、私はこのひょうたんマークのついた音源を入手したいと思ったんですが、どうやら「ゼール音楽事務所」というところが出している音源に限られるということがわかりました。しかも、現在入手困難なものがほとんど。
あきらめかけていたら、先の現代音楽マニア・ヤマメさんから「入手できましたよ!」との連絡がありました。先にみつかったのが『伊福部昭ピアノ作品集第二集』で、続いて『伊福部昭ピアノ作品集第一集』も見つかりました。ずっとサーチしてくださっていたようです。本当にありがとうヤマメさん!
どちらの盤も演奏は山田令子さん(ピアニスト)です。力強く独特な伊福部メロディーがたっぷり楽しめる好盤。とくに『伊福部昭ピアノ作品集第一集』の最初に入っている「ピアノ組曲」第一番「盆踊」や、「火の歓喜」はピアノがグルーヴしてます。
ひょうたんマークに導かれて聴くことができた素晴らしい音楽。今も聴きながらこの文章を書いています。ああ、良いですね。
(524日目∞ 6月1日)
丸黄うりほ ライター・編集者。ひょうたんをタネから育て、その実から音の出るものを自作し、演奏する楽団「ヒョウタン総合研究所」立ち上げ所員。ソロで「オール電化ひょうたん」としても活動中。ひょうたん栽培歴は15年ほどになるが、畑がないので毎年マンションのベランダでプランター栽培している。今年はイプ「ドミティアヌス」を栽培中。「花形文化通信」では、ほかにインタビュー記事を担当。
ふじっこさん 「ヒョウタン総合研究所」所員。ひょうたん栽培3年生。今年は5品種5苗を畑と庭で栽培。丸黄への報告と写真提供でリモートひょうたん活動中。