ひょうたんの根ってどうなっているのかな?

by 丸黄うりほ

▲お疲れ様!蔓だけになった「ティトゥス」

▲これが「ティトゥス」の根!

▲根はプランターの端までびっしり

 

36個もの実をならせて、1年間楽しませてくれた百成ひょうたん「ティトゥス」の一生は終わりました。ローマ皇帝の名前を与えたのにふさわしく、ベランダを独占して威張っていた暴君も今は「兵どもが夢の跡」。ラティスには枯れた蔓が残るだけとなりました。あ、書きながら気がつきましたが、ひょうたんには「兵丹」という表記もありますので、この“たとえ”はぴったりかも。

ということで、懸命に生きた「ティトゥス」に感謝しつつ、この週末は「ひょうたんじまい」をしました。

蔓と一緒に、ラティスの上に張り巡らしたネット、ネットをラティスにくくりつけた紐、蔓を留めていたビニタイなどをはぎとっていきました。親蔓と子蔓を支えていた3本の支柱も取り除きます。最後まで残ったのはラティスやベランダに強力に巻きついた巻きヒゲ。そして、根です。私は残った巻きヒゲを一つ一つはずし、乾いてバラバラになった枯葉などの残滓をホウキで掻き集めてから、最後まで残しておいたひょうたんの親蔓を土から抜きました。

もう完全に死んでしまった「ティトゥス」の根は、それほど力を入れなくても抜けました。細かい根は切れてしまい、親蔓についてきた根は一部だけです(写真2)。プランターの土をスコップで掘り起こしてみると、細かい根がプランターの端や底までしっかりと回っていることもわかりました(写真3)。

根は植物を支え、水や栄養分を取り込む働きをしていて、蔓や葉と同じく植物にとって大切な器官です。植物と人間を比べると、根は頭部。脳や口に該当し、ちょうど上下が逆さまになっているとも考えられます。しかし、根はいつも土の中にあるため鑑賞する機会はほとんどありません。前回「ティトゥス」の根を見たのは苗のポットから出して、定植した時でした。

「ティトゥス」に司令を出していた脳は、こうなっていたのか……。

植物の根の形は、最初に出てくる葉によって大別できるようです。ひょうたんのように最初に双葉が出るタイプの植物は「双子葉植物」と呼ばれ、真ん中に太い主根を持ち、そこから側根が出てくる。それに対して、最初に出てくる葉が1枚だけの植物は「単子葉植物」と呼ばれ、根元から放射状に広がるヒゲ根を持つ。

そして、ひょうたんを地植えした場合、中心から半径50センチまで根が伸びるらしいです。幅70センチのプランターが端まで根でいっぱいになるのは当たり前ですよね。

「ティトゥス」、本当にありがとう。お疲れ様でした。

(435日目∞ 1月19日)