オルトランもいいけど、菌液もね

by 奥田亮

ようやく取り出したひとつ。この写真を撮った直後にまた下に滑り落ちてしまった。

剥けはじめた表皮をジェット噴射の水圧で吹き飛ばす。

あらたにいただいた4つのイプ。前の4つと違いがわからない。右端のは既に表面にカビが生えはじめている。このまま放置しようか。

野菜についた青虫さんを見つけて遠くに投げるのが、ここ最近の毎朝の日課です。毎朝取ってもどんどん湧いてきます。とくにブロッコリーとチンゲン菜が被害にあっています。

同じ畑の中でも、虫に喰われている野菜と喰われていない野菜があります。これはどうも土の状態によるようで、春にじゃがいもを植えた土は、それによって土がいい状態に出来上がっていて、そこに植えた大根と白菜は大きな虫喰いもなく元気に育っています。チンゲン菜を植えた場所は少々水はけが悪い場所だったので、微生物は充分な働きができず、ずいぶん虫にやられました。

こういう時、農薬を使いたくなるんですが、そのかわりに菌液を葉面散布します。菌液はObuse Meguru Lab. の〈めぐる〉。これは乳酸菌、納豆菌、酵母菌を自家採取して作った菌液で、人が飲んでも大丈夫。私もときどき飲んでますが、おいしくて腸の調子もよくなります。これを希釈して霧吹きでシュッシュッと噴霧。発酵しているので少しアルコール分があり、ほわっと浴びると朝からちょっとホロっとするのがまたいい感じなのです。

菌液を散布した野菜は、こころなしか葉っぱの食べられ度合いが減ったような気がします。虫は相変わらずいるにはいるのですが、なんとなく元気がない感じ。虫は元気のなくなった葉っぱを食べるので、菌液で元気を取り戻した野菜の葉はおいしくないのでしょうか。あるいは菌液そのものが苦手なのかもしれません。

この菌液の葉面散布は、来年栽培する(かもしれない!?)ヒョウタンでも使ってみようと思います。丸黄うりほさん、ふじっこさん、オルトランもいいけれど、菌液もいいですよ!

さて、前置き?が長くなりました。水漬けしている4つのイプは、第1回の中身出しから2週間ほど経とうとしています。再び水が白濁し、たぶんいい感じに液状化が進んできたので、第2回目を敢行すべきところでしたが、しばらく雨が降ったり寒かったりしたので、明日にしよう、明日にしようと日延べを繰り返していました。

今朝は久しぶりにいい天気で暖かくなったので、あーもう今しかないっ、と思い立ちました。でも、白濁した水の中に手を突っ込むのを躊躇してしまい、まずは溜まった水を放水することにしました。

ところがこれが失策でした…。水を抜いて沈んだ重たく、しかも皮がむけて表面がぬるんっとしているヒョウタンを取り出すのは一苦労です。なんとか引き上げられたのも束の間、何かの拍子にまたストンと底に落ちてしまいました。

そこで、とりあえず表皮のぬるんとしたのを取り除こうと、ジェット噴射で表皮を吹き飛ばしていきました。それでやっと表面が滑らなくなって手で掴めるようになりました。ようやく2つ取り出せたので、中身をドボドボと出しました。残りの2つはどうしても取り出せず、きょうのところは諦めました。

追加でいただいたもう4つのイプは、まだそのまま置いてあります。いっそ水に漬けず、そのまま放置するのもいいかなとも思いはじめています。放置すると表面にカビが生えて模様を描きます。それを醜いと思うのか、景色として愛でるのか、そこが数寄ものかどうかの分かれ道なのでありますよ! とうそぶいておきましょう。はーでれろん。

(381日目∞ 10月26日 )