「おろち」に花が咲きました!

by 丸黄うりほ

▲ふじっこさんの畑。手前から大瓢タワー、大ひょうたん、スーパー長瓢。

▲スーパー長瓢「おろち」に花が咲きました!

▲豆ひょうたん「里中智」は、1回目の摘心。

▲このまるーい歯型はウリハムシの仕業ですね。

 

4月の定植が早すぎたせいか、いくつかの苗がしおれてしまい、新しい苗に植え替えすることもあったふじっこさんのひょうたん栽培。成長も遅めだったのですが、ここへきて元気を取り戻したようです。

先週末には、花の便り第1号が届きました!

花が咲いたのは、スーパー長瓢の「おろち」です。初代がしおれてしまい、新しくやってきた苗なのですが、花が咲いたということは、今度は元気に育っているという証拠だと思います。よかったよかった!

さて、ここで解説をしておきますと、ひょうたんの花には雄花と雌花があります。いずれも夕方から早朝にかけて咲く、夜型の花です。花の色は白。他のウリ科植物であるカボチャ、ヘチマ、キュウリなどの花が黄色で、昼間に咲くのと、ここが見分けどころ。葉の形はとてもよく似ているのです。かんぴょうの素材となるユウガオだけが、ひょうたんと同じ白い花です。

ふじっこさんの畑で咲いた花は、雄花です。雌花は最初から花の下の部分(子房)がひょうたんの実の形をしているので違いがはっきりわかります。雌花の花芯に雄花の花粉がつくことで受粉成功、ひょうたんが懐妊するわけなんですが、雄花も雌花も一夜だけ咲いて翌日には枯れてしまいます。つまり、同じ日に雄花と雌花が咲き揃わないと受粉できない。ひょうたんランデブーは一夜限りなのです。

今回咲いたのは雄花1輪だけ。なので、この雄花くんにはお相手がいませんでした。でも、花がついたのは親蔓、第1回目の摘心もまだということなので、これからに期待することにしましょう。

ふじっこさんのひょうたんの中で唯一摘心をすませたのは、豆ひょうたんの「里中智」です。鉢植えはコンパクトに仕上げたいので早めに摘心を行う必要があります。3枚目の写真を見ると、ちょっと遅かったかもという感じ。そのぶん、子蔓の摘心を早めにすれば、バランスがとれそうです。

先週、280日目(5月29日)の日記で書いた会社のサプライズひょうたんには、早くも危機が訪れていました。4枚目の写真をみてください。虫に食われてしまったのです!この特徴のある丸い歯型はウリハムシという甲虫です。こいつは本当に悪いやつで、葉を食うだけでなく根も切る。

ということで、ふじっこさん、ひょうたんを救うために殺虫剤モスピランをもって休日出勤したそうです。「あれっ?なんで?」と会社の人には笑われたそうですが、私にはその気持ちよーくわかります!瓢道を歩む者は、ひょうたん様にお仕えするのです。

(282日目∞ 6月2日)

 

丸黄うりほ ライター・編集者。ひょうたんをタネから育て、その実から音の出るものを自作し、演奏する楽団「ヒョウタン総合研究所」立ち上げ所員。ソロで「オール電化ひょうたん」としても活動中。ひょうたん栽培歴は15年ほどになるが、畑がないので毎年マンションのベランダでプランター栽培している。「花形文化通信」では、ほかにインタビュー記事を担当。

ふじっこさん  「ヒョウタン総合研究所」所員。ひょうたん栽培2年生。今年は自宅の庭と畑で6品種6苗のひょうたん栽培に挑む。そのようすを丸黄への報告と写真提供でリモートひょうたん活動中。