大阪音大「楽器資料館」ひょうたん探し(3)ひょうたん鍵盤打楽器

by 丸黄うりほ

▲憧れのひょうたん楽器、ブルキナファソの「バロ」。

▲ボツワナの「ムビラ」。鍵盤が金属ではない?

▲コンゴの「エケンビ」。こっちは金属の鍵盤。

 

大阪音楽大学音楽メディアセンター「音楽資料館」でのひょうたん探し。本日は打楽器のなかでも音階のあるタイプ、鍵盤打楽器をクローズアップしたいと思います。

代表的な鍵盤打楽器「マリンバ」のルーツだと言われているのが、アフリカのひょうたん楽器「バラフォン」です。「バラフォン」は西アフリカ一帯に分布していて、名称は地域によっていろいろ。こちらの音楽資料館にあったのは、ブルキナファソの「バロ」でした。

この楽器、個人的にはひょうたん楽器の最高峰だと思っています。かたい木で作られた鍵盤が音階順に並べられ、それが紐と蔓で組まれ、その下にたくさんのひょうたんがぶら下がっている。ビジュアルが最高です!

ひょうたんは上部をカットされ、紐で鍵盤に結び付けられていて、音を共鳴させて響かせる役目を果たしています。

いつかはこれを作りたい!私はそう思ってひょうたん栽培を続けてきた面もあるんです。この楽器を作るには、いろいろな大きさのひょうたんが必要なのですが、10年以上ひょうたん栽培を続けた結果、だいぶ揃ってきました。ただ、問題が解決していないのは、鍵盤に使われている木。

この材木は何なのか? ネットなどで調べてみると「ベン」という素材名がよく出てくるのですが、日本では手に入らないのかもしれません。ただ、かなりかたい材木であることだけは確かです。読者様で、材木について詳しい方がいらっしゃったら「ベン」について、また日本の材木で代用できるものについて教えていただけないでしょうか?

この資料館では、もう一つ、ボツワナの「ムビラ」という楽器が同じ構造でした。私の撮った写真ではひょうたん部分がうまく写せていないのですが。少し小型で、肩から下げて立って演奏できるようになっています。「ムビラ」というと、私は金属の鍵盤を指ではじいて鳴らす「親指ピアノ」の類だと思っていたので、木の鍵盤楽器がこの名称で呼ばれていることがちょっと意外でした。

コンゴの「エケンビ」という楽器が、まさにその「親指ピアノ」です。俗に「カリンバ」とか「ムビラ」と呼ばれる楽器とよく似ています。アフリカの楽器は似たものが地域によっていろいろな名前で呼ばれていることを改めて感じます。それだけ広いということなのでしょう。このタイプの楽器は、金属の鍵盤の下にたいてい共鳴器となる箱があり、箱のかわりにひょうたんが使われていることも多いのです。