大分・ひょうたん祭り(7)ひょうたん様と中の人が一つに

by 丸黄うりほ

▲地区の境界まで歩くひょうたん様ご一行。

▲風になびく赤い髪。ひょうたん様の表情にぐっときます。

▲獅子舞、神楽の奉納が始まりました。

 

屋台で大きなひょうたんを3個も買ってほくほくの私は、再びひょうたん様の行列の近くにもどりました。

ひょうたん様ご一行は、参道と一の鳥居を通って、柴山八幡社の氏子が住む柴山地区と高畑地区の境界まで行き、その後 Uターンして柴山地区にある御仮所を目指します。そこまでわずか1キロメートルほどの距離ですが、なにしろゆっくりした歩みなので通常2時間もかかるそうです。しかも、今年のひょうたん様はやや遅れ気味のよう。

境界には旗が立っているのが見えます。道の周囲は刈り入れのすんだ田畑が広がっています。時間が経つにしたがって空にはだんだんと雲が出てきました。夕方から夜にかけては雨の予報もでているようです。

御仮所からは笛や太鼓の音が聞こえてきました。獅子舞、神楽が始まったようです。獅子舞は成人、神楽は高校生か中学生に見えるとても若い人たちが中心になって演じています。私は神楽について知識があまりないのですが、ここの神楽はとても個性的で良いと同行者の中野さんが教えてくれました。確かに他ではあまり聞いたことのない調子で気になったのですが、そちらに見物人がどんどん移動してしまい、おかげでかなり見やすくなったので、私は引き続きひょうたん様と一緒に歩くことにしました。

空いてきて少し歩きやすくなったものの、ひょうたん様にはお疲れが出てきたことが、その表情から分かりました。同時に風が出てきたので、ひょうたん様の被り物につけられた白い紙垂と赤い髪の毛が、ひらひら、ひらひらと動き始めました。そのときに私はやっと気がついたのです。ひょうたん様のお顔とは、この被り物のお顔なのですね。

いったん気がつくと、もうそのようにしか見えなくなりました。風になびく赤くて長い髪。憂いをふくんだ、優しいひょうたん様の表情。

ひょうたん様の衣装を着た、今年当番になった中の人がだんだんと消えていって、ひょうたん様と一体化していくのが私には見えました。