ひょうたんで暮れゆく幸せな年の瀬
by 丸黄うりほ

①「空也踊躍念仏」が執り行われる六波羅蜜寺に行ってきました

②空也上人。ひょうたんや鉦を叩きながらお念仏を唱えました

③空也シールと『六波羅蜜寺御宝暦』

④観音様の厄難避けお守りと、病封じ・無病(六瓢)息災御守

⑤湯浅浩史先生(左)と小菅孝一さん。12月26日放送のテレビ番組『チコちゃんに叱られる』にご出演!
京都の六波羅蜜寺で年末に厳修される「空也踊躍念仏」を、今年も見せてもらいに行ってきました。
六波羅蜜寺は空也上人が開いたお寺で、あの有名な「空也上人立像」もこちらの宝物館に安置されています。空也上人が始めたという歓喜踊躍念仏は、空也僧と呼ばれる弟子たちに受け継がれ、悪病退散、無病息災、人々の幸せを願って、手にしたひょうたんや鉢、鉦を叩き、鳴らしながら京都の市中を徘徊したといわれています。その当時の形をほとんど変えずに保存されているといわれるのが「空也踊躍念仏」。現在は重要無形民俗文化財に指定されています。
空也上人とひょうたんの関係について気になりだした5年前(「ひょうたん日記」425日目)から、このお寺に年末お参りするのが私の習慣になりました。昨年のお参りの時には、授与品コーナーで空也上人イラストの3枚セット小皿に出会ってしまい、我が家に来ていただきました(「ひょうたん日記」1272日目)。
今年もお坊さまや他の参拝者のみなさんと共に「モーダーナンマイト」を唱え、お焼香を済ませた後、観音さまの厄難避けのお守りを授与していただきました。
その後立ち寄った授与品コーナーで、今年は空也上人のシールと目があってしまったのです。
昨年の小皿と同じタッチのイラストで、平清盛や閻魔大王もいらっしゃいます。思わず胸がドキドキ……。もうこれは我が家に来ていただくしかない。
シールだけではなんだか大人として恥ずかしかったので、「空也上人立像」が表紙の御宝暦と、「病封じ・無病(六瓢)息災御守」も一緒に授与してもらうことにしました。
この六ひょうたんのお守りは以前からあるなとは思っていたのですが、なぜだか「今年はそろそろ来ていただかないと」と思ったのです。年をとったせい?
お守りに添えられた文章を読むと……。
「六波羅蜜寺の御本尊様、十一面観音菩薩は、空也上人が天歴五年当時、流行した悪病退散を願って造顕され上人は常に腰に六瓢を下げ薬湯を病者に授けられたと伝えられています。」
なんと、空也上人ご自身が、常に腰に六ひょうたんを下げていたと書かれています!しかもそこには薬湯が入っていたと!
さらに続きには「(中略)とくに瓢箪の中のお観音様はあなた様の御健康(六瓢は「無病」に通じ五色は五臓を守る)を日々ご守護に成っています」とも。
オレンジ色の大きいひょうたんの中には、なんと観音さまがいらっしゃるのですね!ありがたや、ありがたや。
さらに、この年末はひょうたん好きにとってもう一つ、とてもうれしいニュースが舞い込んできました。
NHK総合テレビジョンで12月26日(金)の夜19:30〜20:42に放送される『チコちゃんに叱られる』に、全日本愛瓢会の相談役をつとめておられる湯浅浩史先生(花形文化通信インタビュー)が出演されるそうなのです!
湯浅先生によると、「ひょうたんはなぜくびれているのか」をテーマにした内容だそう。また、愛瓢会会員の小菅孝一さんのお宅でひょうたんのタネ出しのようすを撮影し、「ひょうたんミャクミャク」の作者・竹内蘭さんも出演されるとききました。(「ひょうたん日記」1365日目に小菅さん、1349日目に竹内さん登場)
テレビの画面に、あの丸いひょうたんの形が映るのかと思っただけで心が暖かくなり、じんわりと幸福に満たされてゆきます。明日の夜、縁起物のひょうたんを目にしたすべての人が、素晴らしい新年を迎えられますように!
(1405日目∞ 12月25日)
※次回1406日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、1月7日(水)にアップします。12月29日(月)・1月5日(月)の奥田亮「でれろん暮らし」、12月31日(水)・1月1日(木・祝)の「ひょうたん日記」はお休みです。



