空也上人のお皿と、京都の街で見かけたひょうたん
by 丸黄うりほ
日時は少し遡るのですが、昨年末は毎日のように京都に通っていました。
12月27日は、アークスモニウム(たくさんのスピーカーを使った電子音楽)の演奏を聴くために三条河原町へ。その日、会場までの途中の道で……。
通りがかったお店の扉に、「えっ? 今のはひょうたん?」というマークを発見! (写真①)
演奏会が終わるとすぐ戻ってみたのですが、その時間にはもう閉店時間だったようで、シャッターが降りていました。後で調べてみると、どうやら洋食のいただけるカフェのよう。「ひょうたんグルメ班」でまた日を改めて出かけなければならない場所ができました。
翌28日は、東山の六波羅蜜寺へと向かいました(写真②)。午後3時30分から執り行われる「空也踊躍念仏」を見せていただくためです。
以前、「ひょうたん日記」(2020年12月29日)にも書いたことがあるのですが、現在の「空也踊躍念仏」ではひょうたん叩きは見られません。しかし、もともとひょうたんが使われていたのではないかと思われます。この貴重な念仏は、年末のこの時期のみ厳修され、重要無形民俗文化財に指定されています。
私は昨年、和歌山県の御坊市で「戯瓢(けほん)踊」を見たこともあって、その記憶が薄れないうちに、もう一度こちらの「空也踊躍念仏」を見ておきたい。もしかしたら、何か気づくことがあるかもしれないと思いました。
お坊様と一緒に「モーダーナンマイト」、「ノーボーオミトー」と、お念仏を唱えさせていただき、一年間の罪業の消滅と新年が良い年になりますようにとお祈りをしました。
お念仏のあと、授与品コーナーに立ち寄った私は、空也上人を描いた小皿3枚組セットに出会ってしまいました。他では取り扱いのない、手作りの品だと但し書きにあり、これは自宅に来ていただくしかないと確信しました。(写真③④⑤)
その後、私は夕方から出町柳のカフェ「かぜのね」で行われる、和田史子さん主催の「きりたんぽとホーメイの夕べ」に参加する予定でした。しかし、少しまだ時間があったので、久しぶりに東山界隈を散歩することにしました。
まずは六道珍皇寺にお参りしようと思い、松原通を東に曲がったところ……。
なんと、お肉屋さんの店先にひょうたんがぶら下がっているではありませんか!!
そのお店は「松原 肉のむら瀬」。ショーケースの横に設営された焼豚コーナーの真上に、ひらべったい、ひょうたん型の看板がくるくると回っていました。
片面には豚のイラスト。片面には「焼豚」という文字がくっきりと書かれています。
ひらべったい形をしていたので、一瞬ひょうたんではなく木でできているのかと思いましたが、近寄ってみると間違いなく本物のひょうたんでした。ガラス板などに実を挟んだ状態で栽培すると、このような変形ひょうたんを作ることができるのです。しかし、これはかなり高度な栽培技術が必要ですし、見れば見るほど立派な素晴らしいひょうたんです。どういう経路で、この店の看板になったのだろう。
私は焼豚を買いたいな、お店の方にひょうたんのことを聞いてみたいな……と思ったのですが、これから出町柳に向かわねばなりません。しかも、きりたんぽをたらふくいただくことがすでに決まっています。
というわけで、こちらもまた日を改めて、「ひょうたんグルメ班」で再訪することに決めました。
(1272日目∞ 1月23日)
※次回1273日目は奥田亮「でれろん暮らし」1月27日(月)にアップ。
1274日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、1月29日(火)にアップします。