ひょうたんワークショップとライブの連休

by 丸黄うりほ

①吹田市の「よつ葉の土曜市」で「ひょうたんワークショップ」開催!

②イハリコさん栽培の千成ひょうたん

③中身を振り出し、乾燥中のひょうたん(撮影:イハリコさん)

④それぞれ気になるひょうたんで笛を作ります

⑤単純な構造だけど奥が深い

⑥完成したひょうたん笛、全員集合!

⑦米袋バッグワークショップ。ツバメ舎さんによる手作りハンコ

⑧「オール電化ひょうたん」のセット。心斎橋のライブハウス「SOMA」にて(撮影:Iさん)

⑨フラダンス「ナニヴァイアレアレ」にイプ登場

先週末は、大阪でひょうたんのイベントが立て続けにありました。きょうはその報告をしたいと思います。

まずは11月2日。吹田市のヒョータニスト、イハリコさんが営むショップ「よつ葉の土曜市」で「ひょうたんワークショップ」が開催されました(写真①)。このワークショップは昨年11月に開催された「ひょうたん笛&ひょうたんバッグ作りワークショップ」の第2回目(2年目)に当たります。昨年のワークショップのようすについては「ひょうたん日記」1104日目と、1105日目に詳しく紹介しておりますので、よかったらそちらもお読みくださいね。

さて。当日は、ちょうどスタート時刻に話し声が聞き取れないほどの大雨が降りました。一瞬どうなることかと思いましたが、大人の女性4名と小学2年生の男子2名がご来場くださって正直ホッとしました。

テーブルの上にはイハリコさんが今年育てて収穫したばかりの青い千成ひょうたん(写真②)。また、ワークショップ用にすでに中身を振り出し(写真③)、干して乾かした薄い茶色のひょうたんが用意されました。さらにだいぶ前からご自宅にあったという百成ひょうたんもいくつか並べられ、私も自宅から持ってきた数年前の千成ひょうたんを数個出して並べました。

まずは、そのなかから一人ひとりに「好き」「気になる」と感じたひょうたんを1個ずつ選んでもらいました。

同じものが二つとないひょうたんと、それを選ぶ人との間には「相性」としか言いようのない引力のようなものがあると私は感じており、楽器作りの最初に行う「ひょうたん選び」は、じつは最も大切な瞬間だと思うのです。このときに、ひょうたんを手のひらで包み、ゆっくりころがしながら対話してほしい。対話がうまくいったら、そのあとの工作はたいていうまくいきます。

小学2年生のちとせさんは、上の膨らみのほうが大きい、頭でっかちの「たんひょう」をあえて選ぶという渋いセンス。ちとせさんのお母さんのジョーさんは、フラスコ型の百成をチョイス。そして、ふだん管楽器の演奏もされているというサニーさんは、そこにあったなかで最も大きい20センチほどの百成をチョイスされました。イハリコさんは、お子さんのたろうさんとともに、5センチほどで先っぽの曲がった小さなひょうたんと、フラスコ型の二つを製作。ツバメさんは、ふわっと柔らかなシルエットの千成をチョイス。

持ちやすい方向を決めて吹き口を作り、音階用の穴を開けて、リードとなる竹をしっかりと固定します。すぐに音が出る場合も、なかなか音が出ない場合もあります。単純な構造ですが、その音色は一つひとつが異なり、意外なほど広い音階が奏でられるのがひょうたん笛の楽しさ(写真④⑤)。

サニーさんの百成は「ホーホー」とフクロウのような低い声で鳴きました。イハリコさんの極小ひょうたんは「ピッピッピッ」と高音で鳴く小鳥のような笛に生まれ変わりました。ちとせさんは笛に自画像を描き込んで、愛おしそうに吹いてくれました(写真⑥)。

笛作りの後は、ツバメ舎さんによる手作りハンコ押し放題の「米袋バッグワークショップ」が行われました(写真⑦)。雨もこの時間には止んで、青空がのぞきはじめました。イハリコさんによると、また来年の春にもひょうたん関連のイベントをしたいとのこと。こんなふうにして、ひょうたんの輪が広がっていけば素敵ですね。

その翌日の11月3日には、心斎橋のライブハウス「SOMA」で、東大阪市の雑貨&カフェ「地球館」さんの10周年記念イベントがありました。私こと丸黄うりほのソロプロジェクト「オール電化ひょうたん」にもお声がけいただき、どきどきしながら自作ひょうたん楽器によるライブ演奏を行いました(写真⑧)。

このイベントには、ロックや弾き語りの演奏家だけでなく、私のような特殊音楽や、エレクトロニカ、ノイズ、いろいろなダンス、紙切り演芸までが登場。フード、アクセサリー、癒し、占いのブースなども出て、その芸風の幅広さと賑わいはまさにカオス。そんななかで意外な「ひょうたんつながり」として交流させていただいたのが、フラダンスチームのみなさんでした。

写真⑨は、ひょうたん楽器のイプ。みなさんのお顔写真はNGということだったので、楽器だけを撮影しました。

この楽器が使われたのは「ナニヴァイアレアレ」という曲。「ヴァイ」というのはハワイ語で水のことだそうです。水が出てくるハワイの歌には、ひょうたん楽器がよく登場するのだとか。それはやはり、ひょうたんが古くから水汲み道具として使われていたからなのでしょう。

(1243日目∞11月6日)

  • 丸黄うりほ ライター・編集者。ひょうたんをタネから育て、その実から音の出るものを自作し、演奏する楽団「ヒョータニスト・パーティ」のメンバー。ソロで「オール電化ひょうたん」としても活動中。ひょうたん栽培歴は15年ほどになるが、畑がないので毎年マンション(大阪市北区)のベランダでプランター栽培している。「花形文化通信」では、ほかにインタビュー記事を担当。
  • 2024年度ヒョータニスト(ひょうたん栽培&加工に挑戦中のみなさん)
  • フェイ・ターンさん(瓢箪山)、ヤマミーさん(和泉市)、おーさきさん(小野市)、コンさん(吹田市)、イハリコさん(吹田市)、かよさん(瓢箪山)、杉浦こずえさん(大阪市/安城市)、たみさん(守口市)、中野由紀昌さん(福岡市)、西山朝子さん(大阪市)、塚村編集長、KFさん(東大阪市)、ともきちさん(田辺市)、ヒロミさん&ヤブタさん(淡路島)※順次追加していきます。