栽培中の玉造黒門越瓜(しろうり)にやっと会えました
by 丸黄うりほ
先々週は大阪府門真市の堤根神社、つづいて先週は東大阪市の瓢箪山稲荷神社。そして、きょうは大阪市中央区の玉造稲荷神社から。三週連続で夏の神社巡りレポートをお届けいたします。
堤根神社と瓢箪山稲荷神社はひょうたんに所縁のある神社で、ただいま境内でひょうたんを栽培されているという情報を得て、お参りしてきました。玉造稲荷神社では、玉造黒門越瓜(たまつくりくろもんしろうり)という、なにわ伝統野菜のウリを栽培されています。
昨年8月、私は「玉造黒門越瓜“ツルつなぎ”収穫祭」というイベントに参加させていただきました。ひょうたんと同じウリ科の仲間として、その可愛さに魅了され、すっかり親近感を抱いてしまいました。その後すぐ、実っているしろうりを見たいと思って玉造稲荷神社にお参りもしたのですが、すでに栽培は終わっていました。
ひょうたんとウリ。花の時期や実のなる時期はほぼ同じですが、ひょうたんは実ができてから表皮がかたくなるまで約2ヶ月間、蔓に実をつけたままで待ち秋に収穫します。それに対してウリはみずみずしい実を食べるので、夏が収穫期。ウリが蔓になっているようすを観察できる期間は、ひょうたんよりもずっと短いのです。
というわけで、今年は7月中にお参りせねばと。いろいろ忙しかったのですが、なんとか時間を作って行ってまいりました。
私がその日、玉造稲荷神社に到着したのは、夕方の5時ごろでした(写真①)。しろうりをかたどった玉造黒門越瓜の記念碑は、東側の鳥居近くの階段横にあり、おそらく畑もそのあたりのはず。
……行ってみると。思った通り、記念碑の前に青々としたしろうり畑がひろがっていました!(写真②③)
地面にワラを敷き詰め、地這いで作られています。ひょうたんは棚やネットに這わせて上へ上へと伸ばすことが多いのですが、しろうりはひょうたんと同じように仕立てることもでき、このようにして作ることもできるのですね。
地面に広がる蔓と葉の間をよくみると、黄色い花がたくさん咲いていました。ひょうたんの花は白色で、夕方から翌日の早朝にかけての夜に咲きますが、ウリやキュウリ、カボチャ、ゴーヤなどほとんどのウリ科植物の花は黄色で、昼間に咲くのです。何時ごろにしぼむのかなと思っていましたが、午後5時だったらまだ咲いているんですね。あとできいた話では、しろうりは早朝に咲き、人工授粉も早朝に行うのがベストだそうですが、その延長で咲き続けて、ひょうたんの花のように萎まないらしいです。(写真④)
葉の形や大きさ、蔓の雰囲気などは、ひょうたんとそっくりだなーと、私はいちいちひょうたんとの違いや共通点を確かめながら観察しました。
と、葉の間に。
可愛いシマシマ模様を発見!(写真⑤)
しろうりの実は奥ゆかしく、ほとんどが葉の下に隠れるようについていました。長さは15センチから20センチくらい。いい感じに、あちこちに実がついていますが、いくつ実っているのかは数えにくい。
ああ、しかしなんと幸せな風景なのでしょう。ウリ科の実が実っているのを眺めるのは、なんと心が和むのでしょう。(写真⑥⑦)
去年は見ることができなかったしろうり畑をじっくりと見られて、私は大満足しました。そういえば、去年訪れた時はかなり大きくなっていたイネはまだ小さい。約1ヶ月で夏の風景はこのくらい変化するのですね。(写真⑧)
さて。その数日後のことです。「玉造黒門越瓜“ツルつなぎ”収穫祭」の時にお世話になった大阪ガスネットワーク エネルギー・文化研究所(CEL)/U-CoRo の弘本由香里さんから、こんな案内メールが届きました。
「玉造稲荷神社の夏祭は、7月15日(宵宮)・16日(本宮)で、境内の瓜畑でりっぱに育ったしろうりが奉納され、16日には18時〜玉造黒門越瓜食味祭が催されます。しろうりのお寿司が振舞われ(先着順、無くなり次第終了)、屋台で賑わう境内も大いに楽しめます」
私は予定が立たなくてお祭りに行くことはかなわなかったのですが、思い切って畑を見に出かけたのがちょうど収穫の少し前で、まさに観察に最適な「見頃」だったのだと知りました。
カレンダーにマークをつけておいて、来年こそはお祭りに参加し、しろうりのお寿司を味わってみたいな。
(1205日目∞ 7月24日)