ひょうたんのいちばん美しい季節がやってきた
by 丸黄うりほ
7月になりました。蒸し暑い日が続きますが、今から8月中旬ごろまでがひょうたん栽培の最盛期。毎日どんどん花が咲き、受粉に成功した雌花の子房がぷくぷくとふくらんで、どんどんひょうたん型の実になっていきます。ふくらみかけたひょうたんの実は、細かいうぶ毛に被われた表面がツヤツヤピカピカと光って、生命の輝きに満ちています。
まずは、写真①をご覧ください。こちらは今年の「ひょうたん日記」初登場、福岡市のヒョータニスト・中野由紀昌さんのベランダです。昨年に続いて今年もひょうたん栽培を始めておられるとはきいていたのですが、なんと6月中にすでに5個も結実していました!薄い緑色のつややかな実が本当にきれいです。
この実は、福岡県糸島市の「カラヴィンカ」さんでもらった苗から育ったものなのだとか。もう一種類、昨年の千成ひょうたんから採取したタネもまいてみたけれど、こちらはうまく育たなかったそうです。「カラヴィンカひょうたん」は、少し長めでほっそりとした優美なボディが特徴的。まだふくらみかけの実も見えますので、これから先の成長が楽しみ。
続いては写真②③④⑤。5月15日の「ひょうたん日記」から約1カ月半ぶりの登場、和泉市のヒョータニスト・ヤマミーさんのお庭から。
前回はまだ双葉だったひょうたんたちは順調に花をつけて、どんどん結実しています。写真②③は千成ひょうたん。そして、④⑤はオオマルユウガオ。
双葉の時からこの2品種の大きさの差ははっきりしていましたが、結実するとぜんぜん違う植物のようですね。千成は高さ10センチほどで、大きな個体でも13センチほどにしかなりません。それに対してオオマルユウガオは、いったいどのくらいのサイズになるのかヤマミーさんにもわからないとのこと。写真⑤はまだ成長過程なので、ここからまだふくらみ続けると思います。実の形もまだ変化するでしょう。ヤマミーさんはもっとまん丸な実を想像していたそうですが、今はまだカリンのような卵形。最終的にはどんな形と大きさになるのか、期待をもって見守っていきたいと思います。
さーて、次は圧巻の花盛り!写真⑥は東大阪市瓢箪山のフェイ・ターンさんの畑です。フェイさんは6月6日の「ひょうたん日記」から約1ヶ月ぶりの登場。千成ひょうたんに花が咲き始めたことをお知らせしていましたが、花は6月を通じて絶好調の咲きっぷり、この写真が撮影された6月29日にはご覧の通り!
ただ、フェイさんによると圧倒的に雄花が多く、雄花:雌花の比率は20:1くらいだそうです。とはいうものの、写真⑦をご覧ください!青いネットの向こうに見える鈴なりのひょうたんたちを!すごい勢いですね。雌花もすでにこれだけ咲いたということです。形も均整のとれた美瓢が多い。これだけ勢いがあると、毎日の受粉作業も大変でしょう。そして、最終的にはいったいいくつ実るのか?わくわくしますね!
遅く目覚めたオクテの百成のほうも、着実に大きくなっているようです(写真⑧)。いいなあ、まさにひょうたんパラダイス!
ヤマミーさんやフェイさんのひょうたん栽培は毎年安定していて、写真を見ているだけでも楽しい。我が家のベランダにひょうたんがない今年は、とくに写真を見せていただくのが癒しになってます。同時に、同じくらい強く、羨ましいなという気持ちも湧き上がってきます。
(1197日目∞ 7月3日)
- 丸黄うりほ ライター・編集者。ひょうたんをタネから育て、その実から音の出るものを自作し、演奏する楽団「ヒョータニスト・パーティ」のメンバー。ソロで「オール電化ひょうたん」としても活動中。ひょうたん栽培歴は15年ほど。毎年マンション(大阪市)のベランダでプランター栽培している。ただし、今年は6年ぶりにひょうたんのない夏となった。「花形文化通信」では、ほかにインタビュー記事を担当。
- 2024年度ヒョータニスト(ひょうたん栽培&加工に挑戦中のみなさん)
- フェイ・ターンさん(瓢箪山)、ヤマミーさん(和泉市)、おーさきさん(小野市)、コンさん(吹田市)、イハリコさん(吹田市)、かよさん(瓢箪山)、杉浦こずえさん(大阪市/安城市)、たみさん(守口市)、中野由紀昌さん(福岡市)、西山朝子さん(大阪市)、塚村編集長、KFさん(東大阪市)、しまじろうさん(大阪市)、ともきちさん(田辺市) ※順次追加していきます。