カンボジアの一弦弓琴 kse dievとタイの pin pia

by 奥田亮

少し雪が積もりました。

冬至の夜、何だか寒いなと思っていたら、翌朝雪が積もっていました。雪が降る夜はしんしんと底冷えします。長野県北部は、この土日、大雪が降るとの予報。今年は暖冬だけど雪が多いとか、ああ…。

先週までアメリカのGourd Banjoのお話を続けていましたが、それも一段落。なんとなくひょうたんとは無縁なイメージを持っていたアメリカ合衆国が、実はひょうたん王国だったとは意外でした。バンジョーの他にも、クラフト作品や、水筒を作る人たちもいるようで、不思議な盛り上がりを見せておりました。

もうひとつ、気になるひょうたん楽器は、ひょうたん日記で紹介されていたカンボジアの一弦弓琴kse diev(未だに読み方がわからない…)。数本の弦を細い木の棹に張り、共鳴胴にひょうたんを付けた楽器です。胸にひょうたんをあてたり離したりして共鳴を調整し、高音の倍音を響かせて弾きます。YouTubeでいくつか出ていた動画をご紹介したことがありましたが、どうもタイにも同じような楽器があることが分かってきました。

pin piaという名前のその楽器は、kse dievよりも一般的なのか、京都のコイズミ楽器のサイトや、Amazonにも売ってました。

共鳴胴はココナッツのものがあるようです。kse dievとpin pia、どちらも形は大体同じで弾き方も似ています。タイとカンボジアは隣同士ですし、きっと近代国家として国境が引かれる前は同じ民族の同じ楽器だったのかも知れませんね。いくつかの動画を見る限り、どうもタイでは上半身裸で、直接胸に(男性ですが)ひょうたんを密着させるのが伝統的な奏法のようです。

高温の倍音をきれいに響かせ、ひょうたんの開け閉めでワウワウ効果も加味された独特の音は、アコースティック楽器とは思えないような電気的な音がして面白く、いずれ作りたいと思いつつ、ダラダラしている間に年を越してしまいそうです。UFOが手に入ったら作ろうと思います。

さて、そんな年の瀬、来年1月14日(日)、長野県上田市にある本屋さん「本と茶NABO(ネイボ)」で開催される「馬鈴薯展」のイベントで演奏のお座敷がかかりました(詳しくはこちら )。

馬鈴薯展フライヤー

「馬鈴薯展」? そう、ジャガイモの展覧会です。作者は日本在住の中国人アーティスト馮馳(Hyo ti)さん。詳細はわかりませんが、彼のinstagramには、毎日食べたジャガイモの画像がアップされています。ジャガイモとひょうたんは何となく親和性が高いということで演奏のご依頼をいただきました。ライブは「芋のための音楽会」ということで、少し芋を感じる音楽を盛り込んでほしいとのこと(?)。でもジャガイモもさることながら、アーティストのお名前が馮(ひょう)さんではありませんか!

ジャガイモとひょうたん、芋感のある音楽。そして、馮さん。禅問答のような問いにどんな解を持参すべきなのか。うぬぬ。これは考えても仕方ないですね。いつものように行き当たりばったりで、でれろん。

新年のでれろん暮らしは、15日(月)からです。みなさま良いお年をお迎えください。

(1126日目∞ 12月25日)