トラヤヌスの5個の実をじっくり観察する

by 丸黄うりほ

①今回収穫したオオナガユウガオ「トラヤヌス」の5個の実

②「トラヤヌス1号」。ペットボトルとの大きさ比較を見てやってください!

③「トラヤヌス3号」は、緩やかなカーブがいい感じ

④左から「トラヤヌス4号」「6号」「5号」

⑤「トラヤヌス5号」はふとっちょでかわいい

⑥「トラヤヌス6号」もなかなかいい形 

4月のタネまきから始まって、日々慈しんで育ててきたオオナガユウガオ「トラヤヌス」。6〜7月に3個、9月に3個、10月に1個が結実し、1苗に合計7個の実ができました。そのうち、今回収穫したのは5個。まだ蔓にぶら下げている末成り「7号」と、乾燥させて仕上げようと目論んでいる「2号」以外を、きょうは水浸け加工に入る前にじっくりと観察しようと思います。

まずは写真①を見てやってください!全員集合の図です。

ユウガオは食用になるひょうたんで、丸い形の実がなる品種と長い形の実がなる品種がありますが、このオオナガユウガオはその名の通り、ソーセージのような長細い形の実がなりました。そしてその名にふさわしく、予想していた以上に大型の実ができてびっくりしました。

しかし、こうやって並べ、一つ一つの形やサイズを改めて比較すると、わりとバラバラというか、1苗になった実にしてはあまり似ていないなと思います。

順に観察していきましょう。まずは写真②をご覧ください。こちらが最初に実った「トラヤヌス1号」です。横に置いているのは500mlのお茶のペットボトル。比較していただくと大きさがわかってもらえるかと思います。

長さは56センチでしたが、胴回りも大きく、しかもくびれなどがなく寸胴なので、非常に重い。子どもを抱っこするような感じで、両手で抱えないと持てません。容量でいえば、私の15年ほどのひょうたん栽培人生のなかで最大の実であると断言できます。

形はまっすぐですが、わずかに下半身が大きい。壁にもたれかけさせて育てたので、首のへんに小さな傷があります。そして、底部はコンクリートの床についていたので少し平らに育ち、その部分に黒いカビがはえました。長いひょうたんを良い形に育てるためには、「実が垂れ下がってきたところの土に穴を掘る」ときいたことがあるのですが、その意味がわかりました。

しかし、マンションのベランダに置いたプランターで、よくぞここまで育ってくれた!という思いのほうが強いです。よく頑張りましたね「トラヤヌス」。

続いて写真③を見てやってください。こちらは3番目に結実した「トラヤヌス3号」です。ベランダの外側にできていたので今までサイズを測ることができなかったのですが、長さは60センチありました。1号よりも長いですが細い。そして緩やかなカーブがなかなかいい感じです。表皮はすっかり白くなり、実の上の方にはカビがはえて乾燥がはじまっていますが、水浸けで処理することに決めました。

写真④は、9月にできた3個の集合写真です。「トラヤヌス4号」のソロ写真をうっかり撮り忘れてしまったので、この写真で説明させてください。

4号は左端の実です。長さは40センチ。この実はベランダの内側にできていたので、写真も撮りやすく、期間中ずっと楽しませてくれました。今回できた実のなかで、いちばん心配のない優等生だったと思います。表皮に大きな傷はなく、つるりとしてきれい。形は1号を小ぶりにしたような感じで、同じようにベランダの床についていたせいか、下半身が少し太く育ちました。

写真⑤は「トラヤヌス5号」です。この実はとてもユニーク!太短くころんとしていて、全部のなかでいちばん個性的ですね。長さは27センチで、大きめの百成くらいのサイズです。しかし、百成のようにくびれがあるわけではなく、イプのようなツボ型のひょうたんとも趣きが違います。標準的なオオナガユウガオからするとブサイクちゃんなのでしょうが、こういうのは作ろうと意図して作れるわけではありません。私ははっきりいって、この子がかなり好き!なんらかの楽器にしてやりたいなと今から夢想しております。

さて、最後は写真⑥、「トラヤヌス6号」です。3号と重なり合ってベランダの外側にできました。緩やかなカーブを描いた形も3号とよく似てますが、長さは少し短く40センチ。重なり合って日がよく当たらなかった部分はまだ緑色をしています。

毎年、濃紺の布の上に収穫した実を広げて、こうやって観察するひとときが、私にとって最高の喜び。いつもは1週間くらい眺め回してから水浸けにするのですが、今年は引き続き水浸け加工を行うことにしました。

(1109日目∞ 11月30日)

*あしたに続きます