Gourd Banjo と Akonting とKora について
by 奥田亮
先週から突然ですが、ひょうたんバンジョーについて書き始めました。バンジョーといえばカントリーやブルーグラス、あるいはニューオリンズジャズ等で使われる4弦または5弦の撥弦楽器(はつげんがっき)ですが、もともとはアフリカから奴隷としてアメリカに連れてこられた人たちによって作られた楽器で、胴がひょうたんでできていました。このひょうたん製のバンジョーは、今もGourd Banjoと呼ばれて親しまれているようです。そのルーツはセネガルなど西アフリカのAkonting(Ekonting)という楽器だったのです、というところまで、先週書きました。
同じ西アフリカに、Koraという撥弦楽器があります。これは丸い大きなひょうたんを真っ二つに切って皮を張り、棹をブッ挿してたくさん(大ざっぱ!)の弦をつけたハープのような楽器で、アフリカンハープともいわれています。現代風のアレンジで人気のあるSona Jobartehなどの演奏をご存知の方も多いかもしれません。私のお勧めは、Ballake Sissoko。繊細な音色の美しい音楽を演奏されます。フランスのチェロ奏者Vincent Segalとのデュオがお気に入りです。
さて、そのKoraを作る工程を記録した動画がYouTubeにありました。大きなまん丸いひょうたんを選んで半分に切断し、皮を張って棹を挿し、糸巻きを付けて弦を張るまで、全工程がけっこう詳しく紹介されているので、ご興味のある方はぜひご覧ください。面白かったのは皮の張り方。まず大きな皮でひょうたん全体を包みこんで紐でギューギュー縛り、乾いたところで鋲を打って、周囲のいらないところを取り除いて仕上げていきます。無駄な皮がたくさん出てもったいない気がするのですが、しっかり皮を張るには有効な方法かもしれません。
この動画を見ていて気づいたことがありました。Akontingには共鳴孔がありません。Koraには共鳴孔があります。そして、Gourd Banjoにも共鳴孔があるのです。皮の張り方や皮を固定する鋲の打ち方もKoraに似ています。Gourd Banjoは、Akontingに似たところもKoraに似たところもあるのです。どちらの要素も取り入れているのかもしれません。
いろいろ混ざっているのかもしれないなと思っていると、今度はまた別の楽器がみつかりました。Ngoni(ンゴニ)という楽器です。形はAkontingに似ているのですが、弦がたくさんついていて、すごい速弾きでkoraのように弾いたりもしています。と思ったらKoraのような形のNgoniもあって、いよいよわけがわからなくなってきました。おそらくは同様の楽器が別の地域で別の発展の仕方をしたのかなと思われますが、YouTubeとWikipediaではこれくらいが限界です。というか、英語もまともに読めてないですし。またまた来週に続きます。でれろん。
(1106日目∞ 11月27日)