御堂筋で育った「ど根性スイカ」を見に行く
by 丸黄うりほ
ひょうたんを育てるようになってから、私はスイカ、キュウリ、カボチャ、ヘチマ、ゴーヤなど他のウリ科植物のことも気になるようになりました。今年8月には「玉造黒門越瓜」のイベントにも参加させてもらい、それ以来「ウリもかわいいな♡」と本気で思うように。
そんな私の耳に、10月中旬に飛び込んできたのが「御堂筋の中央分離帯で、ど根性スイカが育っている!」というニュースでした。ニュース動画では、役所の人らしき男性が、そのスイカをスコップで掘り起こしてプランターに移植するシーンが映っていました。背景にちらっと映ったビルの形から、私は「梅田新道交差点の手前、おそらく大阪駅前第3ビルの近くでは?」と察しました。へえ、あんなところでスイカが!
ニュースを見た1週間後の10月23日、私はその場所へ行ってみました(写真①)。スイカが育っていた中央分離帯というのは、このへんじゃないか?……と思ったあたりに、土がむき出しになって目立っている箇所が見つかりました。おそらく、ここで間違いないでしょう(写真②)。
次に私が探したのは、肝心のスイカが移植されたプランターでした。第3ビルの周囲をぐるりと周り、1階通路をくまなく巡り、第4ビルのほうまで行ってみましたが、それらしきプランターはありません。御堂筋を挟んで向かい側の道路や、近くにあるお初天神の境内まで探してみましたが、見当たりません。私はがっかりして、その日はそのまま帰路につきました。
数日後のことです。またもやネットニュースに「ド根性スイカ」の話題がアップされていました。読んでみると、なんとスイカのプランターは10月18日に1日限定で大阪市役所に展示されていたそうなのです。さらに20日からは「咲くやこの花館」に展示されているとのこと!そりゃ23日に現場へ行っても影も形もないはずです。
「咲くやこの花館」での展示は29日までだということもわかり、私は最終日ギリギリにようやくスイカに会いに行くことができました。
館の入口には、「ど根性スイカ」が「乾燥地植物室」にあるという案内表示が出ていました(写真③④)。「咲くやこの花館」の温室は気温や湿度などが異なる4つのゾーンで構成されているのですが、スイカがあるのはサボテンや多肉植物などが展示されているコーナー。気温が高く湿度の低い場所がスイカ栽培に向いているのか……とちょっと意外に思いました(写真⑤)。
温室を順路通りに進んでいくと、目当てのスイカはすぐに見つかりました!ニュースでも見かけた白いプランターに植えられ、赤い布の上に置かれ、「御堂筋で自生したスイカ」という紙が貼られていました。たくさんの人がスイカにスマホを向け、テレビ局らしきカメラも来ていました。(写真⑥)
スイカの大きさは10センチ×12センチで、思っていたより小さかったです。緑に黒のシマシマの果実はたまらなく可愛らしかったけれど、蔓も葉もすっかり枯れて茶色くなっていました。おそらくプランターに移した時に根を傷めてしまったのでしょう。(写真⑦)
しかし、本当によく頑張りました。こうやってウリ科の仲間が話題になると、ひょうたんな私もうれしくなります。
そういえば、「咲くやこの花館」のひょうたんコーナーは今どうなっているでしょう?前回9月に訪れたときに(1060日目)、すでに栽培が終わりかけていましたから、もうないだろうなと思いつつ、いつもひょうたんが植えられている屋外の「役立つ植物広場」へ回ってみました。
すっきりと晴れた秋の空に、すべてが終わったひょうたんの棚組が残されていました(写真⑧)。「また来年会おう!」と、私は空に向かって言いました。
(1089日目∞ 10月31日)