写真で見る「日比谷花壇大船フラワーセンター」の『ヒョウタン展』

by 丸黄うりほ

①ロングハンドルディッパーやボンショウなど変わった形のひょうたん

②韓国のひょうたんの壁飾り

③わずか3センチの一寸豆ヒョウタンから特大ひょうたんまで

④秋篠宮さま所蔵の「大瓢エース」も展示されました

⑤3メートル以上もある長ひょうたん

⑥別室には、世界の実用的なひょうたん芸術を展示

⑦壁際には秋元しゅうせいさんのひょうたんスピーカーも (以上、①-⑦写真提供:湯浅浩史)

神奈川県鎌倉市の「日比谷花壇大船フラワーセンター」で、8月26日から9月18日まで開催された「ヒョウタン展」。植物学者の湯浅浩史先生から、展覧会の詳細情報を事前にいただき、8月25日の「ひょうたん日記」でもその概要を紹介しました。

できれば私も見に行きたかったのですが、うまく旅のスケジュールを組むことができず、今回は泣く泣くあきらめました。関西住みの私にとって鎌倉はやはりちょっと遠い。とはいうものの、どんな展覧会だったのか気になる、気になる、気になる〜!

そんなことを思っていたら、なんと湯浅先生ご自身が会場を写した写真を送ってきてくださいました。きょうは、そのお写真から展覧会の様子を推測しつつ、お伝えしていこうと思います。

まず写真①をご覧ください。これは展覧会会場に入ってすぐの左手だと思います。ちなみに私は去年の「ヒョウタン展」を会期終了の翌日に見せていただきましたので、会場のレイアウトは覚えています。

写真手前のガラスケースには、ロングハンドルディッパーやボウナガユウガオなど、くびれが一つでハンドル部分の長いタイプのひょうたんの姿が見えます。その隣のケース内はボンショウと呼ばれるイボひょうたん。さらに横には大きなツボ型のひょうたんが並んでいますね。このコーナーは今回の展示のテーマ「ヒョウタン三つの世界一」のうちの一つ「果実の多様性」についての展示に当たると思います。すべての植物の中で、ひょうたんほどさまざまな形の果実が見られるものはないのだそうです。

続く写真②は、韓国の壁飾りの展示です。「半割りにしたヒョウタンに絵を描き、組みひもをつけ、スダレ様の壁かけの上に飾る」「彫る、焦がす、塗る、描くなど様々な技法が駆使される」という説明文が読めます。ひょうたんをこのようにきれいに半割りにするのは技術的にとても難しいと思いますが、そういえば韓国のマッコリの瓶に添える柄杓も、鶴首ひょうたんを半割りにしたものですね。

写真③は展示テーマ「ヒョウタン三つの世界一」のうちの一つ「大きさの差異」のコーナーです。わずか高さ3センチにも満たない「一寸豆ヒョウタン」から、千成、百成、十成と順に大きくなっていきます。写真④では、特大ひょうたんである「大瓢エース」が展示されています。特に、右側に写っているひょうたんは、今回の展示の目玉でもある秋篠宮さま(全日本愛瓢会の名誉総裁)の所蔵品。なんと高さ108センチ、胴回りは190センチもあるそうです!

「大瓢エース」は、もともと日本にあった大ひょうたんと、セネガルの大きな球状のひょうたんを掛け合わせて作り出された品種で、全日本愛瓢会会員のみなさんの研究と努力のたまもの。最大のものは100リットルを超える容量があるらしいです。

このように同一種でこれほどの容積の差がある生物は、動物・植物を問わずほかにはないそうで、ひょうたんが世界一!

写真⑤には、立派な長ひょうたん。展示室の真ん中あたりには、カラフルなペイントや細工を施した工芸瓢もちらっと写っていますね。こちらは全日本愛瓢会の小菅孝一さんグループの作品だそうです。

また、「ヒョウタン三つの世界一」のうちの一つとして「種子の多様性」のコーナーでは、さまざまなひょうたんの種子を展示。なかには、5000年前の縄文時代の種子も含まれていたそうです。

写真⑥⑦は、小展示室(別室)の様子。ガーナやブルキナファソなどアフリカの物入れや容器が展示されました。秋元しゅうせいさん製作のひょうたんスピーカーも並べられ、アフリカの音楽が流されたそうですよ。

今回の展示品は全部で170点。そのうちの130点は湯浅先生ご自身の所蔵品だとうかがっています。もしも、先生のひょうたんコレクションを一堂に集めたとしたら、いったい何点くらいあるのでしょうか?そのコレクションだけで博物館が建ってしまうのではないかと思います。

(1063日目∞ 9月22日)

※次回1064日目は奥田亮「でれろん暮らし」9月25日(月)にアップ。

1065日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、9月26日(火)にアップします。