地味だけど誠実で、なんて素晴らしい人なの

by 児嶋佐織

こんにちは。テルミン奏者の児嶋佐織です。

もうずいぶん前のことなんですが……。
大好きだった恋人とお別れして、未練たっぷりひきずりながら、新しい人とおつきあいをはじめました。
前の恋人はみんなの人気者で、こんな魅力的な人ほかにいないわ、と思っていました。でも、新しい恋人と仲を深めるうちに、地味だけど誠実で、なんて素晴らしい人なの、って感動したんです。

なんの話かって?
もちろん、ちくわとの馴れ初めです。
先日の『カレー、スパイス、ハーブ、時々ちくわ』というイベントで、「ちくわを好きになったきっかけ」について聞かれたんですが、実は、もともとちくわ好きだったわけではなくて。

こじま、鶏の唐揚げが大好物で、以前はほぼ毎日、ばんごはんに唐揚げを食べてたんです。
毎日おいしく唐揚げを食べてたんですが、なんかちょっと丸くなったかな……気のせいかな、と思ってるとこに、
当時のピアノ教室の生徒さんに「せんせい、すごいおしり大きいねー!」って言われてたいへんショックを受けたんです。
これはもしかして……唐揚げのせいで育ってきたのかも……と反省して、唐揚げに変わるもうちょっとヘルシーなおビヤのアテを……と考えて、ちくわにたどり着いたんです。
おいしくて手軽に食べられて、良質なたんぱく質が摂れる、ちくわというパーフェクトミールの魅力にとりつかれて、いろんなメーカーのちくわを食べ比べたり、ちくわの製法や栄養価について知りたくなったり、だんだん深いお付き合いになってきたんです。

という話を、「だって、唐揚げ100グラムで300kcal近くあるのに、ちくわ100グラムで120kcalなんですよ!?」ってドヤ顔で締めたつもりが「いや、それは普通にわかるでしょ」って呆れられて終了しました……世紀の大発見だと思ったんですけどね。ちぇっ。

まずはお友達から、の、きょうのちくわ。

愛媛県の八水蒲鉾さんの、〈やわたはま 鯵入りちくわ〉。
じゃこ天が有名な、130年の歴史ある老舗です。
四国の隠れた名物でもある〈皮ちくわ〉は、以前デイリーちくわでもご紹介しましたが、
八水蒲鉾さんでも、〈エソの皮ちくわ〉と〈真鯛の皮巻〉を作られてますね。無骨なルックスにちょっとひるみますが、これは絶対おいしいはず。

この〈鯵入りちくわ〉も、身がからっとしていて、噛むほどに鯵の旨味がじんわり増してきます。少しおろし生姜を乗せて食べると、風味がひきたって、これだけで立派な魚料理、って感じがします。
こじまのパトロール範囲では、梅田の成城石井でしか見たことがないんですが、これはちくわ普段食べない人にも全力でおすすめ。焼き魚食べたくらいの満足感がありますよ。