国宝「鳥獣戯画」などを公開する「明恵の夢と高山寺」展が3月21日から大阪市北区の中之島香雪美術館(中之島フェスティバルタワー・ウエスト4階)で開催される。
朝日新聞社創業者・村山龍平(1850~1933)の美術コレクションを収藏するために開館した香雪美術館(神戸市東灘区)の45周年を記念し、昨年3月に開設されたのが中之島香雪美術館で、「明恵の夢と高山寺」は同館初の特別展となる。
鎌倉時代の高僧・明恵(1173~1232)は京都・栂尾の高山寺の中興の祖であり、実質的な開山者。自分の見た夢を長年にわたって記した「夢記」でも知られる。村山龍平のコレクションにも「夢記」があり、同展は、その一巻を手がかりに、「夢記」に関連する絵画、彫刻作品を通して明恵にとっての「夢」の意味を探る試み。
会期は5月6日までで、月曜は休館だが、祝日と重なる4月29日と5月6日は開館する。前期(3月21日~4月14日)と後期(4月16日~5月6日)で展示替えがある。
村山コレクションの「夢記」(全期間展示)のほか、国宝「明恵上人樹上坐禅像」(後期)や重要文化財「子犬」(全期間)をはじめ、ウサギやカエルなどが擬人化され“漫画のルーツ”ともいわれる国宝「鳥獣戯画」甲、乙、丙、丁の全4巻(甲、乙巻は前期、丙、丁巻は後期)などが公開される。
料金は一般1300円(前売り1100円)、高大生 800円(同600)円、小中生 400円(同200円)。
会期中の4月12日には野呂靖さん(龍谷大学文学部准教授)、4月18日には河合俊雄さん(京都大学こころの未来研究センター長・教授)の講演会も予定されている。詳細は中之島香雪美術館のウェブサイトで。