イラストレーターで絵本作家の吉田稔美さんです。きのうの日曜日、京都のおもちゃ映画ミュージアムでお会いしました。
おもちゃ映画ミュージアムでは、現在「没後30年アニメーション作家 岡本忠成 ミニ資料展」を開催中(—3月22日まで)。きのうは、岡本忠成さんのご命日に当たり、東京からご家族の方もお越しになられていて、上映会とお話の会が開かれたのでした。
岡本忠成さん(1932年1月11日-1990年2月16日)はアニメーション作家の巨人のひとり。でも、漫画のアニメーションじゃなくてコマ撮りアニメーションだから、知らないなあ、という人も多いと思います。私も吉田さんに教えてもらって知りました。「花形文化通信」の読者の方なら、これを言うと分かるかもしれません。NHKみんなのうたで、大貫妙子が歌っていた「メトロポリタン美術館」(作詞・作曲・歌:大貫妙子)。あの映像が岡本忠成さんです。メトロポリタンミュージアム♪のメロディが頭の中でこだましてくるのでは?
会場には、その映像で使ったお人形も絵コンテも展示されていました。ちっちゃくてビックリ。
きのうは、最高傑作と名高い『おこんじょうるり』(1982年)と、『モチモチの木』(1972年)、そして卒業制作の『かがみ』を見せていただきました。『おこんじょうるり』は長岡輝子のズーズー弁の語り。『モチモチの木』は浄瑠璃の語りで進行します。残念ながら『かがみ』は予算がなくて、音をフィルムに入れられなかった(岡本忠成ご夫人で、この作品の衣装担当だったさと子さん談)ため、画ネガと音ネガが別々だったらしい。もともとは音楽もついていた(作曲・演奏:乾民子のクレジットあり)のに、音ネガが見つからないのだとか。日大には原版(画ネガ)は保存されていたけれど、音ネガはなかったそうです。でも、音がなくてもぜんぜん楽しめました!詳しくはこちら。
展示には、『モチモチの木』の人形と絵コンテや、『月刊ベルマーク新聞』に連載された「子どもの四季」(1978–80年)全20回分のスクラップと挿絵原画など。
それにそれに。同ミュージアムでは、マジックランタンとか、ゾーイトロープとか、家庭用玩具映画の映写機などがずらり。また、遊びに行こうと思いました。
あ、なんで吉田さんがここにいたか、については、こちらをご覧ください。
そして、岡本忠成さんのアニメーションが見たい人は、図書館などで「上映会をしてください」とリクエストしてください。ぜひぜひ。