大阪府への緊急事態宣言が2月末で解除されましたので、久しぶりに、コマまわしをお願いしました。

山田さんは、大阪・船場にある老舗の総合衣料卸商社の経理部長さんです。山田さんの会社は、江戸時代に呉服商が集積したまちにあり、周辺には衣料関係の商社や企業が本社を置いています。

まちを紹介する『船場ガイドブック』2020年度版の編集をお手伝いしたのですが、そこに商社のことも掲載させていただきましたので、刷り上がりを持って、おじゃまいたしました。

「船場」というのは、大阪の人が大好きな豊臣秀吉が大坂城を築城したときに誕生したまちで、東西南北を川で囲まれた(現在は南と西の川は埋められてありません)南北2.1キロメートル、東西1.1キロメートルの区域。町人文化が花開いた、なにわ商人のまちです。

船場に本社を置くというのは、なにわの商人にとってステータスなのです。ちなみにわが社も縁あって船場に本社を置いております。

船場、船場と言っておりますが、船場なんていう地名はないのでございます。「南船場」と「船場中央」という地名はありますが、住所表示で船場はつかわれていません。だいたいは、地下鉄の駅名の「本町」がエリア名として通っています。

それでも、このまちの人は「船場」という呼び名が大好きなのです。それで、「船場倶楽部」という集まりができたりして、「船場フォーラム」とか「船場まつり」とか「船場博覧会」というイベントを開催したり、「船場ガイドブック」を発行したりしているというわけです。

山田さんもそうなのですが、船場の社長さんや会長さんなどにお会いすると、みなさん、言葉づかいがとてもやわらかい、そして、にこにこお話してくださいます。

この一年、あまり人とお出会いすることがなかったのですが、ガイドブックができましたよーとお届けすると、よろこんで受け取ってくださるのがうれしいです。

by 塚村真美

船場ガイドブック2020年度版はこちらからダウンロードできます