ARTCOURT Galleryアートコートギャラリーの受付です。入口をはいってすぐ。

壁に「今井祝雄の音 Sounds of Norio Imai」とありますが、5月13日〜6月24日まで、開廊20周年記念展Vol.3として、今井祝雄の個展が開かれています。

エントランスからすぐのところには、《この偶然の共同行為をひとつの事件として》という、イベントといっても受け狙いではなく、インスタレーションと呼ぶには規格外な、コラボと言うよりスクラムを組んでるような作品(共同行為)の記録が。事件は、1972年、大阪ミナミのど真ん中、御堂筋と道頓堀の角で起こっていました。(詳しくはこちらPDF)

つづくスペースには1976年の《Two Heartbeats of Mine》。高い天井から、つり下げられた2基のスピーカー。向かい合わせにくっついていて、両方から作家の心臓音(1975年と76年に録音)が鳴っています。(詳しくは同上PDF)

そして庭に面したスペースには新作インスタレーション《音声の庭》が。録音されたけれど再生されないカセットテープがズルズルと引っ張り出されて、透明なアクリル板でぺっちゃんこにされて、その上を他人が踏んづけていく……私も踏んづけました。(新作について作者の言葉はこちら)

また、今井祝雄、植松奎二、村岡三郎の、こちらは共同行為じゃなくて軽みのあるパーティーのようなインスタレーション作品《The Party》(1975年)の記録や、1976年、当時京都市内にあったKBSレーザリアムセンターで行われた「映像表現’76」で、まさかの、映像をまったく映さず真っ暗闇の中、心臓音からメトロノームへと移行する音だけを流した作品《八分の六拍子》、の記録。記録の一つは写真で、舞台からメトロノームの拍子に合わせてストロボ撮影したもの。オリジナル音源は今回レコードになりました(買うことができます)。

それにしても、「喫茶コンドル」とか「ギャラリー・ペテ」とか「KBSレーザリアムセンター」とか、70年代のアートなスペース、魅力的です。

さて、コマをまわしているのは、この展覧会の担当である清澤倫子さんです。この日は、レセプションが行われたので、人が多くて音がわんわんしていますが、平常はとても静かです。ぜひ、心臓音の作品を聞きに行ってください。

今井祝雄の音—開廊20周年記念展 Vol.3
会期:2023年5月13日(土)〜6月24日(土)*日月休 11:00〜18:00(土曜〜17:00)
会場:アートコートギャラリー(〒530-0042 大阪市北区天満橋1-8-5 OAPアートコート1F)
https://www.artcourtgallery.com/

*5月20日に行われた対談:今井祝雄 x 藤本由紀夫
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