ときどき息抜きに訪れる会社の近所の喫茶店「佛蘭弗(フランドル)」。お昼を少し過ぎたころ、玉子サンドをいただきに行くと、マスターが奥の方に座ってテレビ観てました。
「やってますのん?」「やってるよー」とテレビのスイッチを切って「暇やわ~」。「休んでる店多いよ」「そうかあ」「この間、旅行に行ってる社長さんもいてはるんやて」「正解やな」
G20で、周辺には警視庁のパトカーが駐まっています。向かいのセレブホテルにはブラジルの国旗が。「ほやから、本日の珈琲はブラジルなんかな?」「あ、そやったか」「せっかくやから、ブラジルの珈琲もらいますわ」
玉子サンドを作ってもらって、珈琲淹れてもらっても、お客さんが誰も来ないので、コマをまわしてもらいました。
「ご臨終みたいな感じやな……」と、止まったコマを見て、ますます沈むマスター。「せっかくなあ、命を吹き込んで、元気に回ってる思てたのに、止まってしまうねんなあ……」
「こんなんです」と動画をチェックしてもらったら、「あ、眼鏡かけてたら、井上ひさしみたいやな」とご満悦。「井上ひさし、好きやねん。あの人な、ヨメはん寝取られたやろ。古希の時に会見で『僕は古希になるより前から、コキュです』て言わはってん。フッフッフ。古希、コキュ、古希、コキュ、おもしろいなあ」
「あ、ところで、マスター名前はえっと森田さんやったっけ?」「森とちゃう、池。池田」。と、その辺の紙に「池田久雄」と走り書き。タバコの箱?「ショートホープ吸うてはるん?(嶽本野ばらくんと一緒やな)」「せや、最近はライトやで」
カランカラン♪「あ、いらっしゃい!」
常連さんがやってきたみたい。「ほな、帰りますわ~」