レギュラー執筆の先生に新年のごあいさつに行って参りました。

「東京なでなで記」の細馬宏通先生です。

1月5日、京都「出町座」で新春の映画講座がありました。
出町座にも行ってみたかったし、「白蛇伝」も大きな画面で見たかったのでした。

お話は上映中のアニメーション「幸福路のチー」「エセルとアーネスト ふたりの物語」「白蛇伝」の3本について。
台湾映画とイギリス映画と日本映画ですね。顔の輪郭の描き方や動かし方の違いについてのお話が面白かったです。
「鼻」「眉のしわ」「あごの動き」など、人間行動学にも通じるのでしょう。微妙なところをさすがよく見ていらっしゃいます。

資料映像をタイミングよく見せてくださるのは、出町座の座長・田中誠一さん。奥の方です。講演会といえば、昔はスライドをカシャカシャ送ったものでしたが、先生がいちいち「はい次」と言わなきゃならない助手と、言わなくてもスッスッと気持ちよく映す助手がいましたが、座長はもちろん後者。さらに、細馬先生が途中で話が広がってしかし固有名詞がとっさに出てこなかったり、ちょっとあやふやだったりしたら、ささやくでもなく、どや声でもなく、静かにさりげなく言葉を発せられるのも、いとをかし。

コマを回して、踊りだす細馬さんはさらに、いみじうをかし。音声が入ると聞いて「ニャー」と鳴くもをかし。

この「ニャー」は少し寂しい鳴き声に聞こえます。「さっきまで動いていたのに止まってしまったニャー……」とでも言っているようです。

さて!ただいま出町座では、新春特別企画として「東映動画まつり2020」を開催中です。

配信サービスで見られるかもわかりませんが、「白蛇伝」では白娘(パイニャン)が空に舞い上がるところ、そしてく〜るく〜ると落ちてくるところなんかは、やっぱりスクリーンを見上げて見るべきだと思いました。

声の出演は、森繁久弥と宮城まり子。細馬さん曰わく、この映画は「日本昔ばなし」などに通じる「語り」である、と。なるほど。私はNHKラジオの「日曜名作座」を思い出しました。森繁久弥の♪どじょっこふなっこも大好きです。

by 塚村真美

日本初の長編カラーアニメーションとしてアニメーション史上に大きくその足跡を残す『白蛇伝』。公開当時の映像を可能な限り復元し、今年のカンヌ国際映画祭カンヌ・クラシック部門でも正式上映された新規4Kマスターを2週間限定上映!美しく蘇るこの傑作をぜひスクリーンでご堪能ください。さらに新春特別企画として「東映動画まつり2020」を開催!高畑勲監督第一回作品『太陽の王子 ホルスの大冒険』、東映動画(東映アニメーション)をいまも代表する傑作大活劇『長靴をはいた猫』を特集上映します!