シャルロット井上さんの個展が、大阪・船場の近代建築の一つ、船場ビルディングにあるブックギャラリー「& Do’s Niko」で開かれています。
シャルロットはお仕事の名前で、本名は智香子さん。チカちゃんと呼んでいます。20世紀に「花形文化通信」を始めたころ、よく絵を描いてもらいました。それから、チカちゃんは東京に行って、IT関連などでもカッコよくお仕事するようになり、たまたま展覧会にイラストを出すことがあって、「シャルロット井上」と割と適当に名前をつけたところ、仕事が舞い込んできて、それから、イラストの仕事をたくさんするようになったそうです。
イラストは、カリカリとした黒の輪郭を描いて、色を重ねて、削って、下の色を出したり、また重ねてぼかしたり、いろんなことをしています。が、絵の具で手を汚すことはありません。すべてパソコンで描いているから。思った色を出すために、まず、用紙にどんな色が出るか、色見本を竹尾さんや版画工房で作り、その色見本から色を選んで置いていくのだそう。それも画面上のこと。そして筆もいろんな筆を自分で作って持っている、これももちろんパソコン上です。
デジタルだけじゃなくアナログの作品も制作していて、手描きの作品も展示されています。地球儀やオルゴール、それからチーズの丸い箱など。
東京の自由が丘に長年いましたが、今年から、シャルロットさんは奈良に住んでいます。ご実家のすぐ近く。三輪山がご神体の大神神社のある桜井市です。
昔、桜井のお家に行ったことは憶えていましたが、何しに行ったのかは忘れていました。シャルロットとなったチカちゃんと久しぶりにお会いして話していると、女性誌に掲載するために取材と撮影に行ったことがわかりました。そういえば、とその時のページが頭に浮かんできました。
私が憶えていたのは、レトロなガラスの器でいただいたかき氷と、かき氷を食べながら聞いた話。近所の商店街の話になり、なぜか天ぷら屋の話になりました。
「子どもの時な……。天ぷら屋さんに、紅ショウガの天ぷら、あるやん。あれ、怖かった〜」とチカちゃん。
紅ショウガの天ぷらって、関西特有のもののようです。(参考:日経電子版/関西人の「もったいない」精神が生んだ紅ショウガ天鮮やかな赤が食欲そそる/2013/8/3)天ぷら屋さんで見ることはあっても、あまり家では揚げません。真っ赤な紅ショウガの薄切りを天ぷらにしたものです。辛いので子どもは食べません。しかし、辛いじゃなくて、怖いとは?
「あれ、紅ショウガって思ってなかってん」
「なんと思ってたん?」
「ニワトリのトサカ」
「ひゃー!それは怖い!」
シャルロット井上さんの久々の関西での展覧会「花と音」は、4月11日(日)までです。シャルロットさんは毎日在廊。
会場:& Do’s Niko book gallery(大阪市中央区淡路町2-5-8 船場ビルディング414 06−6226−8746)