大阪歴史博物館で飛鳥時代のひょうたんに会いました!

by 丸黄うりほ

①大阪歴史博物館特別展「難波をうたう-万葉集と考古学-」ポスター

②「人面墨画土器」。この顔に会いたかったんです

③フライヤーの「謎解きシート」。いい顔ぞろい

④飛鳥時代のひょうたんによく似たかけら(我が家にあった)

谷町四丁目にある「大阪歴史博物館」では、ただいま特別展「難波(なにわ)をうたう-万葉集と考古学-」を開催中。私は、この展覧会に出品されているという「人面墨画土器」に会いたくて出かけてきました。

この展覧会はタイトル通り『万葉集』をガイドに、大和(奈良)や東国についで多く詠まれた難波(大阪)の古代の暮らしを紹介するもの。万葉仮名が書かれた木簡、『万葉集』の古写本などとともに、瓦、貨幣、須恵器、臼・杵、漁具、船、人形など、当時の暮らしに用いられた出土品が並べられています。

写真①は、この展覧会のポスター。そして、写真②は、ポスターの「人面墨画土器」のクローズアップ。さらに、写真③は会場でもらったフライヤーの「謎解きシート」です。

どうですか?たまりませんよね、この表情!

ツイッターなどでは、「この顔、おもしろすぎるよなー。後世の人が筆ペンで適当に落書きしたんじゃないか?」などと言う不届き者も見かけましたが、断じて、断じて、違います!

「人面墨画土器」は、長原遺跡・加美遺跡(平野区)から出土した、れっきとした奈良時代の祭祀具なのです。当時は疫病が流行していたらしく(現在と同じですね)、土器に顔を墨で描いて、そこに悪いものを封じ込めて、水に流したらしい。描かれた顔は疫病神の顔でしょうか。それとも病気にかかった人の似顔絵でしょうか。しかしこんな楽しい顔で疫病が素直に退散してくれるのかどうか?ちょっと不安は残りますね……。

まあとにかく。目当ての「人面墨画土器」が見られたので、私は幸せになりました。あとは「余裕やなー」と思いつつ、館内をぶらぶら。

展覧会には「万葉の食」というコーナーもあって、料理や食事に使われた道具類も展示されていました。そのなかに……!

私のひょうたんアイが、見つけてしまいました。

それは、細工谷遺跡(天王寺区)から出土したという、「ひょうたんの容器」でした。割れてバラバラになっているのですが、容器の表面に浮きだした筋がまぎれもなく天然ひょうたんです。説明文によると、飛鳥時代のものと書いてあります。こんなに古い時代の、本物のひょうたんに思いがけなく出会えるなんて!うれしい……。うれしすぎる。

写真を撮りたい……と思いましたが、この展覧会は撮影不可でした。最近は撮影 OKの美術館・博物館が多いのに、ちょっと残念です。しかし、このひょうたんがどんな感じだったのかを、みなさんになんとかしてお伝えできないだろうかと私は考えました。

そのときふと思い出したのです。「これによく似た形のひょうたんが自宅にあったはずだ!」

それが写真④であります。飛鳥時代のひょうたんのほうは形をスケッチし、ひょうたんアイにもびしっと焼き付けてきたんですが、いや、ほんとにこれと似てますよ。そっくりです。

今度、野菜とか魚をのせて食べてみようかな。

(648日目∞ 11月30日)

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特別展「難波をうたう-万葉集と考古学-」は12月5日(日)まで