旅の行き先は、はわい。鳥取県にある「はわい温泉」です。
by 奥田亮
先週はスワロー亭をお休みさせていただいて旅に出ておりました。行き先は、ハワイ! あ、間違えました、はわい。鳥取県にある「はわい温泉」です。鳥取行きの目的は、「汽水空港」という本屋さんの店主モリテツヤさんに会いに行くことでした。モリテツヤさんについては、いろいろなメディアが取り上げていますのでここでは詳細を述べることはしませんが、秋にモリさんを小布施町にお呼びして講演とワークショップをしていただく計画があり、その打ち合わせをかねて伺うことにしたのでした。で、たまたま宿泊したのが「はわい温泉」だったのです。
さて、その「はわい温泉」。いかにもアメリカのハワイにあやかって後付けした名前のように思われがちですが(実際私もそう思っていたのですが)、じつは古くからの温泉地で「羽合(はわい)」という地名だったそうで、のちにハワイと友好関係を結んだのだそうです。
泊まったのは、「水郷」という小さな旅館。妻がネットで調べて、目的地から近いし安かったので予約したのですが、サイトをみると「しあわせひょうたんの宿」というキャッチフレーズがついています。「?」と思って写真を見てみると、どうもひょうたんランプで館内を飾っている様子です。まあよくある感じかなと思って、あまり関心を寄せないまま宿に到着しました。
ところが、まず玄関を入ると2メートル以上はあると思われる長瓢がぶら下がっているではありませんか! そして、フロントの受付もロビーもひょうたんだらけ! なんだここは!? ひょうたんに呼ばれたとしか思えません。おもわず受付の女将さん(?)に由来を聞けば、亡くなられた先代が無類のひょうたん好きで、ひょうたんの栽培からしていたとのこと。店内には栽培中の写真なども飾られています。今はもう栽培はしていないようですが、使っていないひょうたんがまだまだいっぱいあるんです、とのこと。確かに泊まったフロアの片隅に素のひょうたんがぎっしり詰まったガラスケースが。こういうのがきっとまだもっとあるんだろうと推察されます。
そして、温泉の女湯の湯船も、なんとひょうたん型!(まだお客さんがいなかったので写真を撮らせていただきました)。客室番号はドアの横にぶら下げられたひょうたんに書かれています。館内あちこちに置かれているひょうたんランプは息子さんが作られているそうです。
帰りに立ち寄った「はわい郵便局」にも、ひょうたんの置き物が置かれていたので、聞けばやはり旅館水郷の先代から贈られたものだそうで、町の小学校や公共施設などに寄贈されていたようです。
もうひとつ、1階エントランスにマニアックな展示がありました。ビートルズ関連のレアなグッズやレコードです。あまり見かけないジャケットのLPや、バスドラにロゴの書かれたドラムセット、そういえば昔見た覚えのある横尾忠則が描いた4人の絵のポスターなど、ファン垂涎の品々が並べられています。夜になると誰も聞いていないのに古いステレオセットでビートルズの曲が掛かっているのもちょっと謎めいてました。
ハワイ、ひょうたん、ビートルズ。そこになんら関係性はありそうにないのですが、いずれも私にとって関わりの深いものばかり。う〜ん、呼ばれたのかな…、でれろん。
(986日目∞ 5月29日)