ひょうたんと笑顔の祭典!「ひょうたんフェスティバル」(5)

by 丸黄うりほ

①ヤマミーさんによる「ひょうたん温灸器ワークショップ」

②千成ひょうたんの蔓が、温灸器の持ち手になります (撮影:ヤマミー)

③2、3年前に収穫して寝かせたヨモギから艾(もぐさ)を作ります

④ヨモギの葉をすり鉢ですりつぶして繊維状に(撮影:ヤマミー)

⑤「ひょうたん温灸器」完成!セルフケアにぴったり(撮影:ヤマミー)

⑥丸黄うりほによる「ひょうたん笛ワークショップ」(撮影:フェイ・ターン)

⑦ひょうたんによって音色の異なる笛ができます

⑧左からフェイ・ターンさん、丸黄、「フレイムハウス」美佐子さん、ヤマミーさん。お疲れ様でした!(撮影:かよ) 

5月7日、大阪・北浜の「フレイムハウス」で開催した「ひょうたんフェスティバル」。きょうは、そのレポートの最終回をお届けします。

午後3時からはヤマミーさんによる「ひょうたん温灸器ワークショップ」がスタート。ご参加くださったのは、「見せ見せ会」にも参加のヒョータニスト、おーさきさん、杉浦こずえさん。そして、一般参加のアンさん、ミキリンさん、フッチーさん、Iさんの6名様です。

ヤマミーさんはひょうたんを愛するヒョータニストであるとともに、プロの鍼灸師。ひょうたんをお灸の道具として用いる民間療法は中国や鹿児島県の与論島にも伝えられているそうですが、今回教えていただいたような形でひょうたんをお灸に使うのは、ヤマミーさんのオリジナルアイデア。ちょうどよい肌当たりにするために、本当によく考えて作られています。まさに、ひょうたん愛とプロの知識と技術の合わせ技!

ワークショップで使用したのは千成ひょうたんと、排水溝にひっかけるステンレスの網。ひょうたんのお腹の部分に網でガイドを取り、押しピンをぷすぷすと刺して丸く切り取ってから紙ヤスリで整えます(写真①)。反対側にも穴を開け、網を接着剤で貼り付けます。上下の穴を平行に切り取るのがコツだそう。ちょうどひょうたんの蔓の部分が、温灸器の持ち手になります。一つ一つ、ひょうたんの形や蔓の曲がり方が違っていて、本当に可愛い!(写真②)

次にお灸の中身になる艾(もぐさ)を作ります。艾は、ヨモギの葉から作られ、摘み取ったばかりよりも1年から3年ほど寝かしておいたもののほうが、熱のあたりが柔らかくなるのだそう。ヤマミーさんが今回用意してくださったのは、2、3年前の5月5日に収穫して乾燥させたヨモギ。旧暦5月5日に収穫したヨモギは魔除けになり、そのヨモギから作った艾でお灸をすれば健康になるという言い伝えもあるのだとか。

写真③④は、乾燥ヨモギの葉を細かくちぎっているところ。ちぎったヨモギは揉み込むようにして丸め、すり鉢ですりつぶします。ふるいにかけて雑物を取り除き、それを何度か繰り返すと繊維状の艾ができます。

できあがった艾を温灸器に入れて火をつけるとできあがり!ほどよくツボが温まって、気持ちいい!セルフケアにぴったりです。(写真⑤)

さて。イベントの最後の時間帯には「ひょうたん笛ワークショップ」を行いました。参加してくださったのは、温灸器も作られたフッチーさんとIさん。講師はわたくし丸黄うりほです。(写真⑥)

お二人には、昨年収穫した千成ひょうたん「ネルウァ」の実から、好きな形で、自分の手にフィットするひょうたんを一つずつ選んでもらいました。笛の場合は、このフィット感というのが意外と重要だったりします。

手で持ってみて吹きやすい位置を決め、そこに穴を開けます。穴から息を吹き込んでみて、音のなる角度を見つけます。その角度に、竹の吹き口を貼り付けるのです。写真⑦は、マスキングテープで仮止めしたところ。このあと接着剤で固定します。

音階の穴は、吹き込んだ息が漏れない角度にいくつか開けます。押さえやすい位置を自分のてのひらに合わせて決めると、吹きやすい笛に仕上がります。

「ひょうたん見せ見せ会」から始まり、4つのワークショップを行った今回の「ひょうたんフェスティバル」は、おかげさまで大盛況!ただちょっと詰め込み過ぎて、最後はバタバタになってしまいました。時間があれば、笛に絵付けをしたり、ミニ演奏会などもできたらいいなと思っていたのですが……。ご参加のフッチーさん、Iさんごめんなさい。

そんなこんなで反省点もあったものの、「ひょうたんフェスティバル」は終始みなさんの笑顔であふれていました。

ありがとうございました!これをきっかけに、ひょうたんに興味を持ってくださる方がもっともっと増えたらいいなと思います。

会場をご提供くださった「フレイムハウス」さん、講師をつとめてくださったフェイ・ターンさん、ヤマミーさんも、お疲れ様でした!

(977日目∞ 5月16日)