浮かびのひょうたん「堤根神社」(3)
by 丸黄うりほ
一昨日、そして昨日に続いて「堤根神社」」レポートの3日目です。
氾濫を繰り返す川を「茨田堤(まんだのつつみ)」によって防ぎ、地域を繁栄に導いた茨田連衫子(まんだのむらじころもこ)。衫子の命を救ったひょうたんは「浮かびのひょうたん」伝説となり、災い除けのシンボルとなりました。また、ひょうたんは沈んでもすぐに浮かび上がることから、願いが浮かび上がるとされ、大願成就、運気上昇のシンボルともなったのです。
「堤根神社」の境内がひょうたんだらけなのは、そのためでした。この神社では、さまざまな授与品にもシンボルのひょうたんが描かれています。写真①②は、ヒサゴ絵馬。赤いひょうたんは、参道のノボリに染め抜かれていたひょうたんと同じデザインです。七五三まいりの絵馬には、黄色と水色のひょうたんが描かれています。こちらもとても可愛いですね!
さらに、絵馬掛けをみると本物のひょうたんも掛けられていました(写真③)。これも「浮かびひょうたん」として社務所で授与していただけるようです。
社務所の前には、授与していただける品が写真付きで紹介されていました(写真④)。お守りの種類がとても多く、しかもほとんどのお守りにひょうたんがデザインされています。ひょうたん型をした「幸守」や、上品な色合いの「厄除守」にも心惹かれましたが、私は黒地に緑色のひょうたんをくっきりと浮かび上がらせた「勝守」を授与していただくことに決めました。
また、珍しい「動物守」もあり、それにもちゃんとひょうたんが描かれています。我が家には猫がいますので、その健康を願ってこちらも授与していただくことにしました。
その二つのお守りの表が写真⑤で、裏が⑥です。「願いが浮かび上がる」というありがたいご利益がある上に、どうですか、この可愛さは!
社務所におられた神職さんは、神社の由緒と「浮かびのひょうたん」について、とても丁寧に教えてくださいました。また、その伝説をわかりやすく小説仕立てにした冊子『ひょうたん物語』も分けてくださいました。(写真⑦)
さらに、神社のウェブサイトに写真が出ていたひょうたん棚について尋ねてみると、毎年夏には境内でひょうたん栽培をされているとのお話が!今年も千成ひょうたんと、百成ひょうたんを植える予定だとおっしゃっていました。これは、栽培のシーズンになったら再びおうかがいしなければなりません!
神社のロゴもひょうたんですし(写真⑧)、「堤根神社」がひょうたんに所縁のある神社であることを、今の神職さんがはっきりと打ち出されていることが伝わってきました。
また、いただいたパンフレットによると、古川の下流に当たる門真市北島町には「堤根神社」の御旅所があるそうです。さらに下流の門真市稗島町には、同じ「堤根神社」という名前を持つ別の式内社が存在するということもネットで調べてわかりました。ひょうたんの季節になったら、こちらにも足を運んでみたいと思います。
(968日目∞ 4月28日)
※次回969日目は奥田亮「でれろん暮らし」5月1日(月)にアップ。
970日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、5月2日(火)にアップします。