2023年度のひょうたん活動が始まります!

by 丸黄うりほ

①兵庫県小野市のおーさきさん、昨年の千成からタネ採取

②布に包んでお腹に抱えて発芽させます!

③こちらは東大阪市・瓢箪山のフェイ・ターンさん

④自家採種の千成、百成など5品種を栽培

⑤ランプの個展に向けて作品作りも進んでいます

⑥「ひょうたんフェスティバル」のフライヤー

⑦和泉市のヤマミーさんは大長夕顔(ナガユウガオ)とユウガオを栽培予定

⑧丸黄うりほはナガユウガオと千成の苗を作ります

約3週間ぶりにお目にかかります、丸黄うりほの「ひょうたん日記」。3月10日以来春休みをいただき、しばらく月曜日「でれろん暮らし」の奥田亮さんに孤軍奮闘してもらっていました。また、きょうから火曜日、水曜日、木曜日、金曜日の夕方に新しい「ひょうたん日記」をアップしていきます。どうぞ続けて読んでやってくださいね!

さてさて。今年はあたたかな春となり、いつもより桜が早かったですね。私の住まいがある大阪市のソメイヨシノは、もうすでに散り始めです。きのう造幣局の横を通ったら、例年は4月中旬に見頃になるヤエザクラももう咲いていました。

日本におけるひょうたんのタネまきは、一般にはソメイヨシノの開花、いわゆる桜前線とともに行うのが適期といわれています。私は何度か苗づくりをしてみた経験上、ソメイヨシノでは少し早く、ヤエザクラの時期のほうがやりやすいように感じています。というのも、ひょうたんはきっちり25℃で発芽するらしいのです。

気温ではなく、これは地面の温度ですので、天気の良い日は25℃まで上がるかもしれません。しかし、お天気というのはなかなか予想できません。そこで、ヒョータニスト(ひょうたん愛好家)のみなさんはいろいろと頭を使い、身体を使って工夫をされるわけなのです。

写真①②は、兵庫県小野市のヒョータニスト、おーさきさんのタネまきのようすです。おーさきさんは、昨年栽培した千成ひょうたんを自家採種。写真①のように実から取り出したタネを一晩水に浸け、沈んだタネだけを②のような布に包んで、お腹あたりに身につけ体温で温めるという方法にチャレンジ。

まるで親鳥がたまごを温めるようですね!この方法は突飛でもなんでもなく、愛瓢家の間ではわりと普通に行われていることだったりもします。私も挑戦してみたことがあるのですが、24時間身につけていなければならないのが大変で、途中でギブアップしました。しかし、これで芽が出たら、その喜びの大きさはどうでしょう? 自分の体を使って発芽したひょうたん。愛情が深まるのは間違いありませんよね! おーさきさんの千成も、うまく発芽しますように!

続いて写真③④をご覧ください。こちらは、東大阪市・瓢箪山のヒョータニスト、フェイ・ターンさんのタネまきのようすです。前回(3月10日)の「ひょうたん日記」でお伝えしたように、昨年のヒョータニストさん同士でタネの交換が活発に行われ、フェイ・ターンさんが採ったタネは、「でれろん暮らし」の奥田亮さん、前述のおーさきさん、そして兵庫県淡路島のヒロミさんの元にも届けられたようです。

逆にフェイ・ターンさんの元には、ヒロミさんが自家採種したUFOと、UFOとイプのハイブリッドがやってきました。今年は、その2種に加えて、自家採種した千成ひょうたんと、「ハンモック姫」「ぷっくりちゃん」と名付けた百成ひょうたんから採ったタネの合計5種類を30ポットにまいたそうです。

フェイ・ターンさんは準備中の個展に向けて、ランプ作品も鋭意制作中! (写真⑤)。また、5月7日に大阪・北浜のサロン喫茶「フレイムハウス」さんで開催予定の「ひょうたんフェスティバル」では、「ひょうたんランプ」を作るワークショップで講師を担当してくださることになりました。現在、受講ご希望の方を募集中です。人数制限がありますので、興味のある方はぜひ早めにご予約くださいね。(写真⑥)

「ひょうたんフェスティバル」では、大阪府和泉市のヒョータニスト、ヤマミーさんによる「ひょうたん温灸器」ワークショップや、私・丸黄うりほによる「ひょうたん栽培講座」と「ひょうたん笛」を作るワークショップも行うことになりました。ヤマミーさんは、プロの鍼灸師さんですので、「ひょうたん温灸器」も本格的です。ぜひこちらも早めにお申し込みを!

そのヤマミーさんは、今年はナガユウガオとユウガオの栽培をされることになりました。「ひょうたんフェスティバル」でもナガユウガオの苗を配りたいと相談したら、新しいタネを購入して、私にも分けてくださいました(写真⑦)。

というのは、昨年ヤマミーさんはナガユウガオとひょうたんを同じ庭で育ててタネも採れたのですが、万一交雑していたら……という危惧からです。確かに、ユウガオとひょうたんは交雑しやすく、ひょうたんには毒がありますので、ヤマミーさんの心配はもっともなこと。

私自身は、「ひょうたんフェスティバル」で苗を配れるように千成ひょうたんのタネを新たに購入しました。(写真⑧)

というわけで、2023年もヒョータニストさんたちによるひょうたん栽培が賑やかにスタートしました!おそらく今年も紆余曲折、さまざまな困難や戦いがあることでしょう。みなさんもあたたかく見守ってくださいね!

(950日目∞ 4月4日)

「ひょうたんフェスティバル」詳しくはこちらへ

  • 丸黄うりほ ライター・編集者。ひょうたんをタネから育て、その実から音の出るものを自作し、演奏する楽団「ヒョウタン総合研究所」所員。ソロで「オール電化ひょうたん」としても活動中。ひょうたん栽培歴は15年ほどになるが、畑がないので毎年マンション(大阪市北区)のベランダでプランター栽培している。「花形文化通信」では、ほかにインタビュー記事を担当。
  • 2023年度ヒョータニスト(ひょうたん栽培&加工に挑戦中のみなさん)
  • フェイ・ターンさん(東大阪市・瓢箪山)、ヤマミーさん(大阪府和泉市)、おーさきさん(兵庫県小野市)、ヒロミさん(兵庫県淡路島)※順次追加していきます。