天理参考館のひょうたん④企画展のパンフレット
by 丸黄うりほ
先週から連続してお伝えしている奈良県天理市の「天理参考館」レポート。いよいよ本日でラストです。「ひょうたんがあったよ!」というヒョータニストさんたちの情報に乗っかって、とにかく館内にあるひょうたんを見つけるぞー!という意気込みでここへやってきた私。朝鮮のパガジ仮面、中国の昔の看板、台湾の呪具など興味深いひょうたん物件をたくさん見ることができて、本当に来てよかった。
1階と2階の「世界の生活文化」コーナーを堪能した後、私は3階の「世界の考古美術」コーナーに向かいました。こちらは遺跡から出土した美術品が中心です。ここにもひょうたんはあるかな?と期待しましたが、さすがになかったです。土の中に埋もれてしまっても石、金属、陶器などは比較的残りやすいけれど、木やひょうたん製のものはおおかた朽ちてしまうのでしょうね。
「ひょうたん日記」の趣旨からははずれてしまいますが、3階の展示品の中にあまりにも自分好みなものがあったので、写真①と②をアップしておきますね。①はこの「天理参考館」からそう遠くない、奈良県の唐子・鍵遺跡から出土した弥生時代の土器の一部です。②は、唐時代の中国の焼き物で、墓の入口において邪鬼の侵入を防ぐ魔除けらしい。どちらもいい表情してますよね!
企画展も含め全館を一周して出てくると、ものすごい充実感がありました。頭の中がふわーっとなるくらいです。そんな私の目の前に、またまた見逃せないものがどどーんと現れました!(写真③)
近寄って見てみると、これらは過去の企画展のパンフレットでした。しかも、価格が安い!最近、美術館などで売っている図録がどんどん高くなっていて買うのに決意がいるのですが、ここに並べられたパンフレットや図録は高いもので1500円くらい。ほとんどが500円以下で、200円、300円のものもたくさんありました。
私は思わず興奮して、5冊も買ってしまいました(写真④)。タイトルだけ記しておきますと、『第9回企画展 失われゆく文化 ニューギニア セピック丘陵の民具』、『第39回企画展 通い徳利 暮らしのやきもの』、『第44回企画展 ニューギニア アフリカ アジア 太鼓の世界 神々との交信、陶酔の響き』、『第61回企画展 世界の民族楽器 技が伝える時代のハーモニー』、『第69回企画展 埼玉県鶴ケ島市寄贈記念 精霊との出会い インドネシア、パプア州先住民神がみのかたち』。
ね、タイトルだけでもものすごく面白そうでしょう?この5冊のなかで、ひょうたん物件が載っていたのは写真⑤と⑥の2冊でした。
⑤の『第61回企画展 世界の民族楽器 技が伝える時代のハーモニー』は、2009年に行われたようです。パンフレットには、タンザニアの「ンドノ」、タイの「ビンナムタオ」などひょうたん製の楽弓が4種類も紹介されているのをはじめ、ガボンのリュート類、中南米のマラカス類、タイの笙「ナウ」など、たくさんのひょうたん楽器が写真付きで出ていました。
⑥の『第9回企画展 失われゆく文化 ニューギニア セピック丘陵の民具』は、1990年に行われた展覧会。石灰入れ「アエ」や、煙管の吸い口「ワリ」など、ひょうたんでできた珍しい生活道具が紹介されています。こちらは説明文も面白く、読み応えがありました。
パンフレットで紹介されているこれらのひょうたん物件は、今も「天理参考館」の倉庫に保管されているのでしょうか? だとしたら、いつか「ひょうたん特集」が企画されないかな……、と夢見たりして。
(937日目∞ 2月28日)