天理参考館のひょうたん②中国の昔の看板

by 丸黄うりほ

①中国・台湾コーナーの入口にいきなりひょうたんが

②これらはすべて「幌子」と呼ばれる看板です

③本物のひょうたんを重ねて作ったものも

④「薬酒屋」「銀製品屋」

⑤ひょうたんモチーフのものがたくさん!

⑥ひょうたん型の木彫のようですね

⑦こちらは「洗剤屋」。なぜひょうたん?

昨日に続いて、天理参考館で見つけたひょうたんについてのレポートをお届けします。

朝鮮半島ゾーンでパガジ仮面に大興奮した私。続く中国・台湾ゾーンに足を踏み入れて、またまたノックアウトされてしまいました。そこには、昔の中国で実際に使われていた看板がたくさん展示されていたのですが……。

写真①をご覧ください! 左に吊るされているのは、本物のひょうたんです。これは「居酒屋」の看板だと説明書きがありました。奥のショーケースには、さらにたくさんの看板がぶら下がっており、ひょうたんが!こっちにもひょうたんが!あっちにもひょうたんが〜!(写真②③)

たまりませんね。写真②の手前に写っている茶色いひょうたんは、やはり「居酒屋」の看板で、真ん中あたりにある模様付きのひょうたんは「薬酒屋」。どちらも木で作ったひょうたん型のようです。

写真③の真ん中にあるのは、本物のひょうたんの上部を切っていくつも重ねてあるもののよう。ひょうたんの皮の内側にあるヒダヒダが見えています。こちらは、「銀製品屋」(写真④)。

写真⑤では、卵型の連なりの最後にひょうたん型が見えます。この看板のいちばん上にもひょうたん型があり(写真⑥)、どうやらすべてが木彫のようです。この看板は「洗剤屋」(写真⑦)。

ざっと見たところ本物のひょうたんを使ったものも、木彫のものも混ざっているようですが、それにしてもひょうたんモチーフのなんと多いこと!

解説文によると、昔の中国の看板は「扁額(ヘンガク)」、「招牌(チヤオパイ)」、「幌子(ホワンズ)」の3つに分類することができるらしいです。「扁額」は屋号を示す標識、「招牌」は販売しているものを示す標識で、どちらも文字で書き記したいわゆる普通の看板です。ところが、「幌子」は立体的な、中国独特のもの。

商品の実物や模型、容器、画、商品を暗示する物などで作られ、一目で売っている商品がわかる工夫が凝らされていて、芸術性に富んだものも多い。また、魚やコウモリなどの吉祥図を描いたり、福を招くとされている紅い布をぶら下げることも多いのだそうです。ひょうたんモチーフが多いのも、おそらく富や福を象徴するラッキーサインだからではないでしょうか。

天理参考館に展示されている看板は、1939年当時、北京市内の崇文門通り商店街で実際に使われていたものだそうです。近代化した現在の中国では「幌子」はほとんど見かけられなくなっているらしく、これらの看板はとても貴重なものだと言えそうです。

(934日目∞ 2月22日)

*明後日に続きます

※明日の「ひょうたん日記」はお休みです。次回935日目は、2月24日(金)にアップします。