ひょうたんラベルのお酒!新潟「吉乃川」
by 丸黄うりほ
大阪梅田の地下街「ホワイティうめだ」に、新潟県の特産品を扱う「新潟をこめ」というお店があります。関西ではあまり見かけない美味しいものをおいているので、ときどき利用させてもらっています。
先日、お菓子でも買おうと思って入ってみたら、立ち飲みコーナーがあるのに気がつきました。まだ早い時間帯だというのに、みなさん楽しそうにお酒を飲んでいます。
あら、いいわね。そういえば、新潟ってお酒がおいしいことでも有名よね……。
……そう思って、お酒のコーナーに目を移すと、私の「ひょうたんアイ」がぎゅいんぎゅいんぎゅいんとけたたましく鳴り響きました!音のする方を向くと……、見つけてしまいました、ひょうたんラベル!
そのラベルには「厳選辛口 原酒」という文字がくっきり書かれており、文字の背景には赤い紐を結んだ銀色のひょうたんが描かれていました。ひょうたんの左に書かれている「吉乃川」が、お酒の銘柄であるようです。その絵を縁取るように、松の枝の絵があります。ボトルは半透明で、お酒のうっすらとした黄味が透けてとてもきれいです。
私はお酒を2本買い求め、1本はプレゼントに。1本は自分用に持ち帰りました。
ラベルの裏をみると、「新潟県産の米を100パーセント使って、徹底して辛口にこだわり造り上げたお酒を原酒のまま瓶詰めした」と書いてあります。製造者は、新潟県長岡市の吉乃川株式会社。なぜ、ひょうたんラベルなんだろう?ということで、さっそく調べてみました。
まず、吉乃川株式会社のウェブサイトを見てみると、いちばん上に出てくる会社のマークがひょうたんです。「吉乃川」の他に、「みなも」「杜氏の晩酌」などの銘柄があり、それらにもひょうたんの絵が使われているものが見つかりました。また、ツイッターのアイコンもひょうたんマークです。さらに、公式楽天ショップの店名が「酒蔵資料館 瓢亭」となっていました。
新潟県酒造組合のウェブサイトには「蔵元ストーリー」というコーナーがあり、なんと吉乃川株式会社の創業は戦国時代の1548年。新潟県で最も古い蔵元であると書かれていました。酒造りのモットーは「機械化はしても自動化はしない」ということで、伝統に支えられた酒造りを続けておられるようです。酒類鑑評会での受賞・入賞歴も多く、特に「厳選辛口 吉乃川」は、定番商品として自信をもっておられるようでした。
しかし、どちらのサイトにも、なぜひょうたんマークなのかについての記述はありません。そこで、私はもう少ししつこくネットを探し回りました。すると、2020年の初めまで、新潟駅前のシンボルとして、大きなひょうたんマークのついた「吉乃川」の広告塔が立っていたことが判明!残念ながら今は撤去されてしまったようです。
また、2019年までは蔵元の敷地内に「酒蔵資料館 瓢亭」という試飲のできる資料館があったこともわかりました。「食べログ」に上げられているクチコミの写真をみると、館内はひょうたんだらけです! こちらも現在は閉館となり、新たに「醸蔵」というミュージアムがオープンしたようですが、ひょうたん要素は見当たりません。結局、「吉乃川」がなぜひょうたんマークなのか、ネットで調べただけではわかりませんでした。
まあそれは置いといて。正直言いますと、私は酒好きであります。このお酒はオンザロックか冷やして飲むのがおすすめだとラベルにあったので、ヘチマ柄の蕎麦猪口と、アテのイカを用意しました。
徹底した辛口。まさにその言葉に偽りなし。じつにすっきりとした、シャープできれいな口当たりです。硬派な味わいに、ひょうたんマークがさらに愛おしく見えました。
(921日目∞ 2月3日)
吉乃川株式会社 はこちら
※次回922日目は奥田亮「でれろん暮らし」、2月6日(月)にアップ。
923日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、2月7日(火)にアップします。