千成ひょうたんのタネ出し、新戦略で行こう!
by 丸黄うりほ
昨日の日記では早くも2023年春の栽培予定ひょうたん(じつはユウガオ)を発表しましたが、2022年の千成ひょうたん「ネルウァ」の実たちは、まだしつこく水の中におります。
収穫したのが12月に入ってからで、穴をあけて水漬けをはじめたのが年末。10日ほど前に一度水から出してみると、だいたい中身は溶けているようでしたが、あまりのにおいに鼻を直撃され、また1個ずつ振り出し作業を行うのが辛かったので、とりあえずもう一度水にもどしていました。(「ひょうたん日記」1月20日)
昨日、10日ぶりに覆いをとってみたら写真①のような感じになっていました。水は茶色っぽくどんよりと濁り、あいかわらず臭い。ですが、前よりは少しマシです。単に鼻が慣れただけかもしれませんが。
重しのブロックとカゴを取り外し、臭い水を流して、洗濯ネットに入れた千成ひょうたんたちを、ざざーっと出した状態が写真②です。表皮はほぼ前回出した時にむきましたので、表面はつるつる。実の中にあったワタは水に溶け、タネはポロポロとこぼれ出てきています。
いつもならここで1個ずつ中に水を注いで、残ったタネとワタを洗い出し、何度か振ってほぼ中身をからっぽにします。そして、逆さまにして干すという流れになるのですが……。
今年の実は千成ひょうたんという小さい品種。しかも、大豊作で1苗で100個以上もできてしまいました。
いつものように1個ずつ振り出し作業をしていたら、間違いなく疲れます。時間も果てしなくかかってしまいそうです。
そこで、私はひとまず流しに出したひょうたんたちをざっと洗い、からのバケツにもどしました。振り出し作業をしなくても、流しにはたくさんのタネが残りました(写真③)。
洗ったひょうたんを再びネットに入れ、ゴミ箱システムに入れて上からお湯を注ぎました。ぷかーっと浮いてくるので、それをネットの上から押して沈めました。すると、いつの間にかネットの中にはまたタネがたまってきました。ネットの穴よりも小さいタネや中身のカスのようなものは、水の表面に浮いてきました。(写真④)
すぐに水が汚く濁ってきたので、それをまた捨てました。新しいお湯を入れて、再びネットを押して沈めますと、ひょうたんからぷくぷくぽこぽこと水に空気が出てきます。可愛い。
同じことを何度かくりかえしていくうちに、水の濁りは薄まってきました。臭いもほとんどしなくなりました。そして、ぬるま湯につけた手が温かく、気持ちよくなってきました。これならずっとさわっていてもしんどくありません。
「これだっ!」と私は思いました。1個ずつ水を入れて振り出し作業をしなくても、こうやってひょうたんを入れたネットを、湯の中で押したり、ひっくり返したり、揉んだりしているうちに、中身が出てくるのではないか?
1個ずつ振り出すほど完璧には出てこないかもしれないけど、要するに臭みが取れたらいいわけで、少しくらいタネが中に残ってもかまわないはずです。
「よしっ!今回はこの新戦略で行こう!」と私は心に決めました。「これから毎日、お風呂に入る前にひょうたんのもみ洗いをするぞー!」
そして、これをやっているうちに水の濁りがほぼなくなったら完了。そうしたら次の工程に入れるはずです。……が、思った通りにうまくいくかどうか?どうぞみなさまも見守ってやってくださいね!
(919日目∞ 2月1日)
- 丸黄うりほ ∞ ライター・編集者。ひょうたんをタネから育て、その実から音の出るものを自作し、演奏する楽団「ヒョウタン総合研究所」立ち上げ所員。ソロで「オール電化ひょうたん」としても活動中。ひょうたん栽培歴は15年ほどになるが、畑がないので毎年マンション(大阪市北区)のベランダでプランター栽培している。「花形文化通信」では、ほかにインタビュー記事を担当。
- 2022年度ヒョータニスト(ひょうたん栽培&加工に挑戦中のみなさん) ふじっこさん(三重県いなべ市)、フェイ・ターンさん(東大阪市・瓢箪山)、ヤマミーさん(大阪府和泉市)、森野ゆかりさん(奈良市)、光澤大志さん(熊本市)、中野由紀昌さん(福岡市)、金森幹夫さん(三重県名張市)、KFさん(大阪府東大阪市)、美佐子さん(大阪市・フレイムハウス)、西山朝子さん(大阪市・ウーピーキッチン)、モリカワさん(ヒョウタン総合研究所)、杉浦こずえさん(大阪市・愛知県安城市)、塚村編集長、ヒロミさん(兵庫県淡路島)、虎爪さん(千葉県)、イトミーさん(名古屋市)、おーさきさん(兵庫県小野市)