いっそのことひと冬雪に埋めて置くとどうなるかしら、という妄想
by 奥田亮
先週少し雪が降ってからは雨だったりで、今年は暖冬なのかなと油断していたら、とうとう来ました。晩に降り始めて、朝見るとどっさり遠慮なく積もってましたよ。積雪約50センチ。朝になってもまだまだ止む気配のない中、今季の初雪かきは突然始まりました。
庭に放置していたIPUはどうなったでしょう。あらら、やっぱりちょっと雪をかぶってました。軒下に置いてあったのでたいしたことはないのですが冷たそうです。おやおや? よく見ると表面になにやら縮緬(ちりめん)状の模様ができています。寒さで縮み上がったのでしょうか。中身をくり出し、水浸けぜずに置いてあったので、表皮が縮んだんですね。そういえばアメリカ瓢のラッパ「じいじ」も、雪をかぶってシワくちゃになり、歪んでしまったのでした。
元来が南国のものであるひょうたん。元祖ひょうたんは雪なんか見たことなかったはず。雪に対する耐性はあまりないかもしれません。雪を見てさぞやびっくりしていることでしょう。ひょうたんの北限がどこなのか、はっきりしたことは知りませんが、北海道の人から、育たなかったと聞いたことがあったので、せんぜい本州あたりが限界なのかもしれません。もっとも温暖化でどうなっているのかはわかりませんが。
で、この縮緬ひょうたん。見ようによっては面白いではありませんか。いっそのことひと冬雪に埋めて置くとどうなるかしら、という妄想が膨らんできました。雪の下ニンジンは甘味が増しておいしくなりますし、新潟名物の「かんずり」は、唐辛子を雪に埋めてじっくり発酵させたもの。雪に埋まると冷たそうですが、零下の風にさらされるより、雪の中の方が、零度以下にはならず、あったかいのだそうです。ひょうたんを食べるわけではありませんが、雪に埋まって味わい深い紋様をつけたり、シワくちゃになったりしたら「雪の下ひょうたん」と銘打って雪国の名産にできるかもしれません。これはちょっと試してみてもいいかも。
さんざん降っていた雪も、昼過ぎには小降りになり、夕方には青空が見えてきました。たぶんこの雪はいったん溶けてしまい、本格的に積もるのは年明けからではないかと思われます。雪に埋めるのはもう少し先にしようと思います。
(899日目∞ 12月26日)