真理さんのシェケレ②京都のホテルで初めまして!
by 丸黄うりほ
昨日の続きです。私はできるだけよく似た「双子のひょうたん」4組を選んで紙袋に入れ、その袋を下げて阪急大宮駅で下車しました。向かったのは、坂本真理さんが宿泊されたホテルです。
シェケレの作り方を教えていただくには、材料のひょうたんや、糸やビーズなどを広げる場所が必要です。カフェなどでは周りの迷惑になりそうだし、どうしたらいいものかと思っていたら、宿泊先のホテルにコミュニケーションスペースがあり、そこを使わせていだくことができると連絡がありました。ああ、よかった!
初めて会う坂本さんは、笑顔のすてきなとても優しい女性でした。私が到着するとすでにテーブルの上に、シェケレを作るための材料と道具をどっさり並べてくださっていました。ハサミ、ピンセット、木工用ボンド、サシ、ノギス、種類の異なるたくさんの糸やヒモ。さらに、いろいろな色や形のビーズが詰まった袋が何種類も。
これだけのものを、わざわざ東京から持ってきてくださったのですね。本当にありがとうございます!
私の方は持参したひょうたんを机の上に置きました。このなかに、シェケレに適したひょうたんはあるでしょうか?
坂本さんによると、初心者は千成ひょうたんのような小さいものを選びがちなのだそうです。私も、初めてシェケレを手作りするなら千成から初めてみるのがいいのかもと思っていました。ところが、小さいひょうたんほど作業も細かくなり、作るのが難しいのだそうです。
くびれのない鶴首のような形も難しいということで、候補は百成ひょうたんの「ウェスパシアヌス」と「ティトゥス」に絞り込まれました。皮が薄いよりも厚いほうがよく響くと教えていただき、厚めの「ウェスパシアヌス」の実に決まりました。
編み出す前に、本来はひょうたん上部の膨らみを真ん中あたりで横に切っておくそうです。そのほうが音の響きが良くなるのだとか。また、縦糸は切って、先端に木工用ボンドを塗って硬化させてから乾かしておく。そしてガイドの幅にあわせてループ状に結んでおくという下処理が必要。今回は、その工程を坂本さんがすでに行ったものをもってきてくださいました。
上糸にするヒモは2種類から選ばせていただき、くびれの周囲に巻きつけました。その上糸に、扱いやすいと勧めてくださった濃紺の縦糸を引っ掛けていきます。この縦糸をひょうたんの丸みにそって広げ、下に垂らします。その糸を2本ずつとって、音の響く位置でビーズを留めていきます。
少しやり始めると「これは大変な根気のいる作業だわ……」と改めて思い知りました。まず、ビーズ穴1つに2本の糸を通す時点で、不器用な私などは手が止まってしまいます。ようやく糸を通したビーズは結んで固定するのですが、結び目が小さいと下にずり落ちてしまう。
ひょうたんのウエスト一周を編むのに、坂本さんでも45分かかるそうです。私が編むと、いったいどのくらい時間がかかるのでしょうか?
坂本さんが運営されている「むらさきmusicラボ」では、シェケレを手作りして鳴らしてみるというクリエイティブ教室を開催されることもあるそうですが、生徒さんたちは作り方を教わってから、自宅でちょっとずつ編んでいかれるのだそうです。上手な方なら毎日編んで1週間ほどで完成。
編み方の注意点を書いたプリントもいただきましたが、「とりあえず鳴る」ものを作るだけでも本当に難しそうです。頑張らなくちゃ……。
(892日目∞ 12月15日)
(続く)
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