ひょうたんの曲線美
by 丸黄うりほ
ひょうたん仕舞いがまだ終わっていないヒョータニストさんは、私自身を含めてあと数人になりました。
我が家の千成ひょうたん「ネルウァ」の兄弟苗を引き取って育ててくださっていた、大阪・北浜「フレイムハウス」美佐子さんの千成「せんちゃん」も、ついにひょうたん仕舞い。10月18日の「ひょうたん日記」では、先成り19個の水浸け開始をお伝えしていましたが、数日前に後成り15個も収穫したそうです。蔓本体はだいぶ枯れて、収穫した実も半分は茶色くなり、軽くなっていたそうですよ。(写真①)
水に浸けていた先成りひょうたんたちは、つるりと一皮むけて、さらにつるつるすべすべに仕上がりました!(写真②③)
こうやってみると、ひょうたんって本当にきれいですよね。まるでオリーブの実のような色。千成のようにくびれのあるタイプのひょうたんを観察すると、1個1個の実は個性的で全部違う形なのに、全部の実に共通する、「ひょうたんのくびれである」としかいいようのない曲線が美しすぎる。まさに神様がつくった美そのものという感じがします。
「せんちゃん」は、全部で34個の実をつけてくれました。大豊作といえると思います。美佐子さん、「せんちゃん」。半年間本当にありがとうございます!
さて、次は11月9日の「ひょうたん日記」で、ひょうたん仕舞いをされたことをお伝えしていた東大阪市瓢箪山のフェイ・ターンさんの近況です。
フェイさんが最後に収穫された実のうち、私の個人的なお気に入りは写真④の「いきなり新人さん」です。上部と下部のふくらみの両方が球形に近く、しかもそれがなだらかにつながっている。美しい!
自分が育てたひょうたんでもないのに、実の形と名前が判別できるのは、やはりひょうたんの形が一つ一つ個性的だからだと思います。
人の顔がどれだけそっくりでも違いがあるように、ひょうたんの形は全部違う。なのに、どれもがひょうたんの曲線であるとしかいえない曲線美をもっている。これって、よく考えてみると本当にすごいことだと思いませんか?
フェイ・ターンさんはキノコもお好きだそうで、フェイスブックに粘土でつくったキノコをアップされていました。めちゃくちゃ可愛いですね!(写真⑤)
私もじつはキノコ好きなんです。キノコの形にはひょうたん型に通じるものがあるような気がします。でも、いま自分はキノコは食べるだけにしています。植物としての愛はひょうたんに捧げているので……。
で、フェイさん、粘土でひょうたんは作ってらっしゃらないのかな?と思ったら、やはり作っておられました。「ひょうたんの曲線は難しい」とおっしゃっていましたが、その気持ちわかります。だって、ひょうたんの曲線美は完璧ですからね。
でも、フェイさんの粘土のひょうたんを見せていただくと、「これはすごい!」と思いました。ひょうたんの曲線美をわかっている人にしか感じ取れないニュアンスがちゃんと表現されている!(写真⑥)
そこに愛があるのが伝わってきました。人が作りだすものって、黙っていてもすべてを雄弁に語るのだなと改めて思いました。
(877日目∞ 11月24日)