日比谷花壇大船フラワーセンターでひょうたんに会う(4)
by 丸黄うりほ
きょうも、日比谷花壇大船フラワーセンターの「ひょうたん展」で展示されていた湯浅浩史先生の所蔵品を順に紹介していきましょう。
写真①は、ウズベキスタンの「鳥籠」です。ひょうたんの表皮に美しい模様が描かれていてとても素敵。この中に色鮮やかな鳥を入れて運べば、まるで物語の世界のようです。
写真②は、パプアニューギニアの「石灰入れ」。石灰は、ビンロウヤシの実とコショウ科のキンマの葉を一緒に噛む嗜好品なのだそう。ひょうたんは世界中でいろいろなものの容器として使われていることがよくわかります。この模様は、ひょうたんのいちばん外側の表皮を黒く染め、その表皮を残して作られているのだとか。薄く皮を剥いでいく繊細な作業が、これまた見事!
かわって写真③④は、平野泰雄さんの「ヒョウタン絵(人類原器の文字)」。湯浅先生が、ひょうたんのことを「人類の原器」と呼ばれていることをふまえて作られた作品で、表にはひょうたんの蔓と葉と花が描かれ、裏面には「人類の原器」という堂々とした言葉が書かれています。
写真⑤は、千田キミ子さんの「花刺繍」。なんとひょうたんの皮に刺繍を施したという力作。華やかでとても美しい作品です。ひょうたんの加工方法には、本当にいろいろな手法があるのですね。
さらに、ショーケースのなかには湯浅先生が南アメリカやアフリカなど、世界中で集めてこられたなマラカスやシェケレなどの打楽器がたくさん展示されていました(写真⑥)。マラカスと一口に言ってもいろいろな形やデザインがあり、その土地で手に入るさまざまな素材とひょうたんを組み合わせて作られていることがわかります。
この「ひょうたん展」は9月19日までの開催だったのですが、「花形文化通信」の塚村編集長と私が日比谷花壇大船フラワーセンターを訪れたのは21日のことでした。展示パネルはすでに外されているところもありましたが、一部残してくださっているいるものもありました。
写真⑦の左はマリの「頭上運搬用ヒョウタン容器」で、右は「ヒョウタン修理」とあります。ひょうたんが生活の道具として、楽器として、また装飾品として世界中でさまざまに使われ、愛されてきたことがひしひしと伝わってくる展示内容です。
さて、今週10月4日(火)から今日までお伝えしてきた4日間の「ひょうたん日記」では、日比谷花壇大船フラワーセンターで9月に開催されていた「ひょうたん展」で、私たちが見せていただいたひょうたん作品について、メモ書きのようにお伝えしてきました。
センタースタッフのみなさんが「ひょうたん展」の後片付けをされている傍で、私たちは湯浅先生にインタビューをさせていただきました。その本編である楽しいお話は、「花形文化通信」のメインコーナーで、今月中旬以降から数回に分けて発表させていただこうと思います。
みなさま、どうぞ楽しみにお待ちくださいね!
(846日目∞ 10月7日)
※10月10日(月・祝)の奥田亮「でれろん暮らし」はおやすみです。
847日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、10月11日(火)にアップします。