社章がひょうたん!船場の商社「増見哲」

by 丸黄うりほ

①南船場にある「増見哲」の直営店「999+1」

②全色揃うYKKファスナーなど手芸用品、服飾資材がぎっしり!

③コートにもなる割烹着 kapok(カポック)

④品質の良さと発想の新しさで人気上昇中!

⑤「増見哲」三代目社長の増見喜一朗さん

⑥社用車に「999+1」のロゴマークとひょうたんの社章が!

⑦ひょうたんの中に、赤い「9」が3つ入っているデザイン

大阪のミッドタウン・船場の歴史や暮らしを紹介するガイドブック『船場人』。先日、私はライターとして記事作成のお手伝いをさせていただきました。

取材を受けてくださった会社のひとつに、服飾資材の専門商社である「株式会社増見哲」さんがありました。取材前にウェブサイトを閲覧していたら……、なんと!社名の横にひょうたんマークがあるではないですか!

「株式会社増見哲」の現在の社長は三代目の増見喜一朗さんで、『船場人』でのインタビューは船場で「糸へん」を継いで頑張っておられる若手にお話を聞くというものでした。その記事は現在作成中なのですが、一通りメインのお話をうかがった後で、私はずっと気になっていたひょうたんマークについてうかがってみました。

すると、増見さんは笑顔で、「あのマークは僕が考えて作ったんですよ!」とおっしゃったのです。

昭和の初めから続く商社なので、てっきり先代から引き継いでらっしゃる社章なのかと思いきや、いま目の前にいらっしゃる社長さんが自ら考案された。もしかしたら社長さんもひょうたん好き? ひょうたん者としては飛び上がりたいような嬉しさです。

本社近くの南船場3丁目には直営店もあるということで、私たち取材陣はそのあとすぐ店舗に案内していただきました。おしゃれな木目調の店内には、さまざまな手芸用品や雑貨類がぎっしり。さらにkapocと名付けられた衣服も並んでいます。Kapocは割烹着をベースにしつつ、ワンピースにもコートにもポンチョにもなるという自由で楽しい洋服。

このお店の名が、〈999+1〉というのです。読み方は「スリーナインプラスワン」。増見さん曰く、「三休橋筋にあるので、999。そこに1を足したら “1000になる” でしょう。“千に成る”、つまり、豊臣秀吉の千成ひょうたんです。僕は秀吉が好きなんです。大阪を盛り上げてくれた人物やからね」

なるほど、秀吉好きからきたひょうたんマークだったのですね!

私はKapocなどのオリジナル商品にもひょうたんマークのタグがついているのかな?と思い、あちこちきょろきょろと探してみたんですが、見当たりません。

「商品にはひょうたんの社章をつけてませんね。でも、車にはついてますよ!」と増見さん。というわけで、わざわざ車庫まで連れて行ってくださいました。

その時間帯、社用車の大半は営業中で出払っていましたが、残った数台のボディには目当てのひょうたんがばっちり!左のひょうたんの中には赤い「999」が入っています。右には「999 SEN-NARI DREAM」、「SINCE 1939」と書かれています。とってもかわいいですね!

豊臣秀吉の千成ひょうたんは、勝利と富と繁栄の象徴です。そのマークを抱いた「株式会社増見哲」さんも、おそらく、糸へんの街・船場を牽引し、ますます盛り上げる存在となっていかれることでしょう!

(840日目∞ 9月29日)