ヒョータニストさんの畑でも、うれしい収穫が始まりました!

by 丸黄うりほ

①秋空がきれい!フェイ・ターンさんのひょうたん畑

②ネットに包まれた大ひょうたん(百成)とイプの実

③大きさ、形が定まってきたUFO(?)の実

④千成ひょうたんは鈴なり!

⑤最初に生まれた実、千成の「ハジメちゃん」を89日目で収穫

⑥新しい実もまだまだ誕生しています!

桜の花の時期にタネをまき、ゴールデンウィークごろに畑やプランターに苗を定植。蔓がどんどんのびて、6月か7月には雄花雌花が咲き、やがてそれが実になって……。こんなスケジュールが、標準的なひょうたんの一生です。

その間には蔓の摘心や、こまめな誘引もしてやらねばなりませんし、ナメクジや害虫の発生、集中豪雨や強風の被害、菌による病気の発生などいろいろな敵が待ち受けています。

しかも、ひょうたんの実はなってすぐに収穫できるのではありません。受粉した日から数えて千成ひょうたんのような小型で50日、百成ひょうたんのような中型で60日、長ひょうたんや大ひょうたんになると最低でも70日はそのまま栽培を継続し、本体の蔓を枯れさせないように保つ必要があります。

そのようにして完熟させないとしっかりとした皮の厚いひょうたんにはなりません。未熟な実をもいでしまうと、皮が薄かったり、割れてしまったり、もっと悪い時には全体が腐ってしまいます。

ひょうたんは早採りよりは遅採りのほうがよいといわれていて、たとえば70日以上たって皮の表面が茶色くなったり、カビが生えてきたりしても、収穫後に適切な処理をすれば問題なし。なので、葉が枯れて見た目が悪くなっても焦らず、ゆっくりと「待つ」ことが大切。待つほどに、収穫の日の喜びも増すのです。

写真①をご覧ください。東大阪市・瓢箪山のヒョータニスト、フェイ・ターンさんの畑のようすです。今年は昨年の経験をふまえて、このような棚を組み、周囲に風除けを張り巡らし、畑ではあるけれどもプランターを使って手厚く世話をしてこられました。

栽培品種は、千成ひょうたん、百成ひょうたん、イプ、そしてUFO(?)の4種類。なかには途中で枯れてしまった苗もありましたが、6月ごろから花が咲き、今では写真②のような、ひょうたん盛り盛りの素晴らしい状態に。育苗に失敗して再チャレンジしたため、遅植えで8月受粉となったUFO(?)かもしれないひょうたんも、形と大きさが定まってきました(写真③)。まるでカボチャのようですね!千成ひょうたんはご覧の通り、まさに鈴なりです!(写真④)

フェイ・ターンさんは畑のほかに、自宅の玄関先の鉢植えでも千成ひょうたんを栽培されていて、9月7日にその実を1つだけ収穫したそうです。

初収穫した実は、6月10日にフェイさんのひょうたんのなかで最初に咲いた花で、受粉から89日目でした。高さ95センチ、重さは115グラム。名付けて「ハジメちゃん」。写真⑤のひょうたんです!

てのひらにころんと収まるサイズ。下半身ぷっくりの愛らしい形。表面にはキズもシミも虫食いもなくすべすべ。皮の色はすっかり白っぽくなっていて、じゅうぶんに完熟していることが見た目にもわかります。

「ハジメちゃん」に続いて、日数のたった実はこれから順番に収穫の日を迎えていくことになるでしょう。楽しみですね!

一方、8月下旬に咲いた花もぽこぽこと実になり始めたそうです。まだうぶ毛が残っていて、いかにもフレッシュ(写真⑥)。こちらの実が収穫できるのは10月末になりますね。

そうそう、10月末といえばハロウィンのカボチャです。あれは英語で言うとpumpkinではなくてgourdと呼ばれる種類のカボチャで、ひょうたんを含む「食べられないウリ科植物」のこと。つまり、ハロウィンはひょうたんの収穫祭なのだ!と私は勝手に解釈しています(笑)。

(831日目∞ 9月14日)