ひょうたんを盛り盛りに撮影する方法
by 丸黄うりほ
昨日に続いて、大阪市・鶴見緑地の「咲くやこの花館」からお送りします。
「役立つ植物」コーナーの一画にあるひょうたん棚の下に立った私は、周囲と一体化する蔓植物模様のシャツを着て、写真家の水野真澄さんにたくさん写真を撮ってもらいました。
私の目の位置から、カメラを構える水野さんの後ろに見えるのは……、大ひょうたんや千成ひょうたんの、ころんと丸いフォルム。薄い緑色をしたすべすべの表面。光を透かしながら揺れる葉……。
うっすら緑に染まったまぶしい光の中に立っていると、ふわっと気が遠くなってきて、このひょうたん世界はもしかしたら現実ではないのでは?私は夢を見ているんじゃないか?と思うほど不思議な気分になりました。
写真を撮ってもらっていた時間は何分くらいあったのか。長かったような気もするし、あっという間だったような気もします。……全部終わって、心地よい緊張感から解放された私は、「そうだ!このひょうたん園の写真も撮っておかなくちゃ!」とようやく我に返りました。
昨日も書きましたが、毎年この場所で栽培されているひょうたんの品種はバラエティに富んでいて、珍しいひょうたんも多いのですが、今年はちょっと事情が違う感じ。今年は普通種の大ひょうたんと千成ひょうたんだけ。予算の関係なのか?お世話をするスタッフの都合か?それとも……あまり考えたくないことですが、ひょうたんは人気がないからカット……?
いやしかし!品種は限られてはいますが、さすがにプロがお世話されているだけあって、植物としてのひょうたんそのものは大変いきいきしています。
写真①②は、一般に大ひょうたんと呼ばれる品種だと思います。どちらの実も、ボンキュッボン、素晴らしいプロポーションですね。個人的には①のそばかすに魅せられます。②は高さ40センチに近い大物でした。
10センチ前後の千成ひょうたんも数え切れないほどぶら下がっていました。裸眼で見ると盛り盛りに実っているんですが、スマホのカメラで撮ってみるといまいち見た目通りに写りません(写真③)。
「どうやったら盛り盛りに写せるのかなー?」
私はつい独り言のようにつぶやいてしまったんですが、それを聞いていた水野さんがさくっと一言アドバイスをくださいました。
「ズームにしてから撮れば盛り盛りになりますよ」
えっ?それだけ?スマホのカメラでもできるの?
……というわけで、教えてもらった通りに撮ってみたのが、写真④です。場所は③とほぼ同じなんですが、確かに盛り盛りに見えますよね!
ズームを使うとモノとモノとの間がくっついて見えるため、盛り盛りに見えるのだそうです。知らなかった!今後のひょうたん撮影では積極的にこのテクニックを使っていきたいです。
撮影会の後は、ミュージアムショップで食虫植物模様の文庫本カバーを購入(写真⑤)。食虫植物グッズは、Tシャツ、トートバッグ、ポーチ、ノート、文房具など種類豊富で充実していました。やはり人気者なんだなぁ。
しかし、ひょうたんグッズは……、ひとつも見つかりませんでした。
うーむ。植物園のショップにひょうたんグッズを並べてもらうには、やはり子どもたちの支持が重要なファクターのようです。私たちはひょうたんの良さを若い世代にもっと伝えていかねばなりませんね。
(818日目∞ 8月26日)
※次回819日目は奥田亮「でれろん暮らし」、8月29日(月)にアップ。
820日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、8月30日(火)にアップします。