よく考えたらワシの出番が一番多いやんかいさ
by 奥田亮
8月20日(土)、またまたひょうたん演奏の機会をいただきました。小布施町の隣、高山村という、その名の如く山間の村にある浄土真宗のお寺、徳正寺のイベント「てんこもりマルシェ」。でれろん暮らし109で練習の様子をお知らせしたユニット「ボンサイ」での出演です。そこには、8月25日出演、場所は正徳寺と記しておりましたが、8月20日、徳正寺の間違いでした。すみません。
ボンサイは、謡(うたい)の周平さんと、ダンスのkaiさんとひょうたん楽器の私の3人のユニットで、この日が初舞台という予定でした。ところが、1週間ほど前にダンスのkaiさんから、体調不良で出演できないという連絡をいただきました。なので、これはイベント参加自体が流れたなと思っていましたら、3日前になって、周平さんから、どうします?と連絡が。え!やるの? まあ、日程は明けていましたし、できない、ということはないなと思い直し、翌日に擦り合わせ。大丈夫かな〜とお互いヒリヒリしながらも、なんとかなりそうということで当日を迎えたのでした。
会場の徳正寺は山村のお寺にしては、というのは失礼ながら、境内も広く本堂も立派。参道に地元の商店や農家が露店を並べる、とても長閑な夏祭りでした。ジビエソーセージ300円とかあるのが、らしさでしょうか。あいにくの天気でしたが、近所の子どもたちや家族でにぎわっています。
さて、本堂の舞台で繰り広げられる演目は、和太鼓、紙芝居、ヨガ体験などなど。そんな中、ボンサイはかなり浮いていたと思いますが、周平さんの謡と舞が始まると、会場はグッと空気が引き締まりました。ひょうたん楽器はシンプルに《ビビリンチョ》をインドのタンブーラのごとく、淡々とドローン(通奏低音)を流します。時々なんちゃってホーメイ風の倍音唱法で楽器の倍音と共振させたりしました。周平さんは時に激しく、時にゆっくりと緩急をつけて即興演舞を繰り広げます。動きがひとしきりになると、ひょうたん楽器を「べんべん」に持ち替え、なんちゃって義太夫三味線風にべんべんと激しく打ち鳴らしました。舞は逆にゆっくりとした動きに。しばらく演奏が続き、お互いの空気を読み合って終了。
終了後、司会進行役の住職の奥様から、楽器の紹介をしてほしいとのリクエスト。こういうとき、楽器が珍しいというのは、まあネタになっていいですね。ひょうたんの品種の説明を中心に手短にご披露させていただきました。「珍しいものを見た」感で満足された方もおられたのではないかと。
ライブの目玉は東京から招聘された〈視覚パフォーマンス集団「ベルゼ」〉。ダンスやパントマイム、ジャグリング、フィンガーパフォーマンスなどなどを組み合わせた大道芸的なグループで、今回はその中から3人が出演ということでした。作り込まれたプログラムは大人から子どもまで楽しめ、ある意味われわれボンサイとは対極にあるような芸風です。そんな彼らから、われわれの出番が終わった直後、共演したいという無茶振りが。ところが謡の周平さんは次の予定があって早々に引き上げるとのこと。私はといえば、帰って店を開ける予定にしていたのですが、なんとか少しは時間が取れそうだったので、受けて立つことにしました。
もともと、3人でやるつもりが2人になり、ヒリヒリだったのですが、こうなれば毒を食らわばなんとやら。あえてさらなるヒリヒリを体験することにしたのでした。打ち合わせも練習もなし、いきなり3人と1対1でのバトル。ん?よく考えたらワシの出番が一番多いやんかいさ。しかも1人ずつと一巡して安心していたら、もう一巡と⁉︎ 持ってきた楽器も少なくてどうしようと思いつつ、とっさの思いつきで、ひょうたんマラカスを渡して無茶振り返し(笑)。さすがにうまく使いこなしてやり切ってくださり、皆さんから温かい拍手をいただいて終えることができました。
いや〜、ヒリヒリ! 汗かきました。でれろん!
(814日目∞ 8月22日)