なぜこの形?UFOだけにミステリー
by 丸黄うりほ
ひょうたんにはいろいろな形、いろいろな大きさの実がなる、さまざまな種類があります。タネの状態だと、大きな実がなる種類はやはりタネも大きかったり、外来ひょうたんは微妙に形や色ツヤが違っていたりもします。しかし、定植にちょうどいいサイズの苗、本葉5枚ほどに成長した状態のひょうたんは、どの種類もほとんど同じ見かけで区別がつきません。それどころか、カボチャやキュウリの苗だってだいたい同じに見えます。
あらっ、この苗はちょっと違うかも?と気がつくのは、ようやく雌花が咲き出したころ。そして、その実が受粉に成功し、大きくなってくるに従って、「これは違うわ!」と確信に至るのです。
8月2日の「ひょうたん日記」で、UFO型のひょうたんを植えたはずなのに、UFOらしくない形の実が生まれてしまった兵庫県・淡路島のヒロミさん宅のようすを紹介しましたが、その後、その実は順調に成長しています。
写真①がその疑惑のUFOなんですが、ヒロミさんに「七粒の涙」という詩的な名前をつけてもらったようです。七粒というのは、同じような涙型の実が7個できているからだそう。なるほど、大きい実の左上と、右下にも成長途中の小さな涙型の実が写っていますね。
ヒロミさん宅では、同じく去年収穫したUFOから採取したタネをまいて、鉢にも2苗植えたということなんですが、その苗にも1個ずつ実がついてきました。(写真②)
うーん、またこれは違う形をしていますね。左の実はまあUFOらしい形だと思いますが、右の実はタマネギ型です。写真①の実の形から、お父さんはイプだったんじゃないかと推測していたんですが、このタマネギはイプにも似ていません。正直、この実の形を見せていただいて、ますます謎が深まってしまいました。
さて、つぎは写真③をご覧ください。こちらは、東大阪市・瓢箪山のフェイ・ターンさんのUFOです。
フェイ・ターンさんは4月からUFOのタネまきをして頑張っていたんですが、なぜかうまくいかなくて、この苗は3度目のタネまきでようやく育ったもの。このたび、やっと初めての雌花が咲き、受粉にも成功!
よかったねー、と思ったんですが。んっ?ちょっと待って。
写真④をご覧ください。こちらが、そのUFOの成長途中の実なんですが……。これも、なんか違う!
UFOはその名の通りUFO型の実、ひらべったいカボチャみたいな形の実がなる種類なのですが、これはアボカドみたいな形をしています……。それに、表面にアメリカひょうたんや台湾ひょうたん、イプ、マクラなどの外来ひょうたんに特徴的なマダラ模様がついています……。
フェイ・ターンさんによると、このUFOのタネはメルカリで買い求めたものだそうです。種苗会社から買ったのでないなら、そういうこともありえるなと思います。
UFOを育てていたつもりなのに、違う形の実ができてきたヒロミさんとフェイ・ターンさんにしてみれば、びっくり!かもしれませんが、外野の私から見れば、こういうハプニングこそ面白いです。どんな形のひょうたんであれ、すくすくと育ってくれさえすればオールオッケー?ですよね?
(808日目∞ 8月12日)
※次回809日目は奥田亮「でれろん暮らし」、8月15日(月)にアップ。
810日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、8月16日(火)にアップします。