天然ひょうたんの七味入れ
by 丸黄うりほ
先日、お友達のRSさんから絵はがきをいただきました。私がひょうたん狂いだということをご存知のRSさんは、はがきに素敵なひょうたんの切手を貼って送ってきてくださったのです(写真①)。
「この切手、私も欲しいな」と思って郵便局のウェブサイトを調べてみると、今年3月に発行された「江戸-東京シリーズ第2集」という記念切手で、シール式の63円切手が10枚1組になったものの1枚だということがわかりました。シートのひょうたんの絵の横には「七味唐辛子」と書かれています。他に江戸切子や雷おこし、あわぜんざいの絵などもあって全部いい感じ。さっそく郵便局をいくつかまわってみたのですが、どこもとっくに売り切れていました。
ウェブではまだ買えるんだけど、1枚630円の切手シートに対して送料が720円とべらぼうな価格設定。これはよほどのマニアでないと買わないよな……。
そんなわけで切手を入手するのはあきらめたんですが、そのことがきっかけで、「そういえば、ひょうたんの七味唐辛子入れって、どこに売ってるのかな」と思い出しました。
おそらく蕎麦屋や和食店などで、置いてあるのを見かけた方もいらっしゃるかと思います。でも、それはたいてい木かプラスチックでできたひょうたん型の容器。本物のひょうたんでできた七味入れではありません。
そんなことを思っていたら……、なんと意外なところであっさりと出会ってしまいました。JR京都駅のお土産売り場です(写真②)。
清水寺の近く、産寧坂に本店がある「七味家本舗」の七味唐辛子と山椒之粉は、亡き母がとても好きで実家には欠かさず常備してありました。どちらもすごく香りが良くて、お料理が素晴らしく引き立つのです。
懐かしいなぁと近寄って見たら、七味唐辛子は1袋25グラム入りで税抜き800円。そして、同じサイズの七味唐辛子に、ひょうたんの容器がついた「天然瓢箪七味袋付」は税抜き1300円。なんと500円しか違わない!
これは、ひょうたん好きにとってものすごいお買い得商品です。絶対買おうと思って手にとってじっくり見ると、ひょうたんは天然ものですから、当たり前ですが一つ一つ形が違う。どうせ買うなら好きな形のものを……と選んだのが、これ(写真③)であります。
千成ひょうたんの口部には栓がはめられ、くびれ部分には細い竹紐。お尻に穴があいていて、ここから七味唐辛子を入れ、木とコルクでできた蓋で閉めるようになっています。ひょうたんのボディにはツヤ出し塗料が塗られ、ふっと鼻へもっていくと……、
まぎれもない!天然ひょうたんの証である瓢臭が、ぷーんとしました!しかも、かなり強烈です!(笑)
もったいなくて、私はまだこの七味唐辛子入れを使っていないのですが、本当にいい買い物をしたなと大満足しています。京都にいらした方は、ぜひこの「天然瓢箪七味袋付」をお土産に選んでみてはいかがでしょうか。地元の方にとっても、手土産にぴったりだと思います。強く、強く推薦いたします!
(785日目∞ 7月8日)
※次回786日目は奥田亮「でれろん暮らし」、7月11日(月)にアップ。
787日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、7月12日(火)にアップします。