ひょうたんマエストロ、安田さんの畑を拝見!
by 丸黄うりほ
町ぐるみでひょうたん推し、ヒョータニストの間では「聖地」として知られる、岐阜県の養老。その養老のなかでも最もひょうたん濃度の高い、ヒョータニスト憧れのお店が「安田ひょうたん店」です。
三重県いなべ市在住のヒョータニスト・ふじっこさんは、先週土曜日に「安田ひょうたん店」に行ってきたそうで、写真を撮って送ってきてくださいました。お店の裏には畑もあって、見学もさせてもらったそうです。
思えば、今までにも「ひょうたん日記」で「安田ひょうたん店」さんとその畑のレポートをさせていただいたことはあるのです。2020年2月20日〜25日にはお店と畑の両方をがっつりレポート。また、2020年8月5日と、2021年4月23日にもふじっこさんレポで畑を見せてもらっています。しかし、いずれもひょうたん栽培が始まる前だったり、始まったばかりだったり、ほぼ終わったあとだったりで、最盛期ではない時期でした。
なので、今回は、安田さんがどのようにして栽培をされているのか、しっかりと見せていただける初めての写真になるかと思います。栽培に挑戦中のヒョータニストのみなさんにとっては、勉強になること、参考になることだらけなので、ぜひお見逃しなく!
まず写真①をご覧ください。こちらがお店の裏手に広がる安田さんのひょうたん畑です。がっちりとした太いパイプで棚が組まれ、周囲には風除けのネットが張り巡らされています。ひょうたんは一定間隔をあけて整然と植えられ、土にはマルチ。その周囲には藁が敷き詰められています。根を傷めず受粉作業ができるよう、足元には板やブロックが置かれているのがわかります。
安田さんの畑では、さまざまな品種のひょうたんを栽培されています。30センチくらいの普通サイズのひょうたん栽培であれば、ここまでの棚と風除けは必要ないかもしれません。しかし、こちらでは2メートルとか、時には3メートルにもなるような巨大ひょうたんも育ててらっしゃる。なので、実をどうやって吊るか、保護するかということが最大の案件になってくるのです。
棚には、受粉に成功し、ふくらみかけたひょうたんがたくさんぶら下がっています。写真②は大ひょうたんか、大瓢エースか? 写真③は鶴首ひょうたんか、ロングハンドルディッパーか? 写真④の中央あたりに見えるキュウリのような実は、長ひょうたんの若い実だそうです。
安田さんの畑では、温室を使って3月に苗づくりを始め、4月には定植をされるので、温室を使わない一般的なひょうたん栽培よりも1ヶ月ほどすべてが先行しています。だいたい6月には受粉が終わり、8月中には収穫してしまわれるようです。それもやはり風が怖いから。大型ひょうたんほど台風による被害が深刻になると以前もおっしゃっていました。大きな実がぶら下がっているところを見るなら、おそらく来月が最高でしょう。
写真⑤は豆ひょうたんのプランターです。今年は実験的にプランター栽培を試み、畑との違いを観察していらっしゃるのだとか。蔓の誘引には洗濯はさみを使ってらっしゃいます。
また、面白いのは写真⑥で、りんごなどを包む発泡ネットで実を保護。よくある園芸用の果物ネットではないのですね。傷のついたひょうたんはプロのお店では売り物になりませんから、このほうがよりしっかり保護ができるのかもしれません。
こうやって写真を見せていただいただけでも、本当にためになる栽培のコツが満載。私もまた養老に行きたいなぁ。今年の夏こそ、最盛期の畑を見せていただきたいなぁ……と思います。
そんなわけで、今回ふじっこさんが送ってきてくださった写真は畑の写真がほとんどだったんですが、なぜか2点だけ、店舗にあった「非売品」のひょうたんの写真がピックアップされていました(写真⑦⑧)。こ、これは珍しい……。
(770日目∞ 6月17日)
※次回771日目は奥田亮「でれろん暮らし」、6月20日(月)にアップ。
772日目は丸黄うりほ「ひょうたん日記」、6月21日(火)にアップします。