シワシワくん、この先どうなりますことやら
by 奥田亮
ゴールデンウイークに突入し、小布施町も観光のお客様で賑わいを見せはじめています。栗が名産の町なので、皆さん栗菓子屋さんの紙袋を持ってあちらこちらと歩いておられます。遅咲きの八重桜の並木が見事な千曲川の堤防が賑わっていますし、りんごの花も咲きはじめて、りんごの花見を楽しむこともできます。そんな中、古本屋のスワロー亭は相変わらず静かですが、平日になかなか来れない方がゆっくり過ごされたり、話ができたりと、普段の営業日とは違った時間が流れるのは連休ならでは、ではありますね。
さすがに4月末ともなりますと、もうストーブもいらないかなと思っていたのですが、朝夕は相変わらず寒くて、結局ストーブを点けてしまいます。なかなか気温が上がらない日が多く、栽培中のひょうたんの苗も一向に発芽してくれません。じつは種まきをした三日後ぐらいに、千成と百成のポットにぴょこんと双葉が出たので、おやおやこれは幸先がいいですね、とほくそ笑んでいたのですが、なんだかどうも双葉の形が違います。しばらく様子をみていると、どうもこれは、菜園のあちこちに今年も芽を出しているゴボウのようでした。ぬか喜びとはこのことなり、ということで早々に抜きました。
それでも種まきをしてちょうど十日後の4月30日に、ようやく本物の双葉と思しきものが、千成のポットから一つ顔(というか茎)を出しました。発芽までに二週間ぐらいはかかりますので、まあこれからかなと焦らずに待つことにしました。ただ、図書館での栽培は遅くとも5月中旬には実施したいので、間に合うかどうか、少々不安です。最悪どこかで苗を調達しないといけないかもしれません。
一方、いまだ乾燥中のIPUに、また不思議なことが起こりました。前号で底の一部に穴が空き、シワシワになったのが一つあったとお伝えしていましたが、そのシワシワくん、雨に当たったり日差しに当たったりを繰り返したおかげなのか、ポッカリ空いていた穴がなんとふさがっているではありませんか!? このシワシワくん、この先どうなりますことやら。そして乾燥した暁に、いったい何にすればいいでしょうね。名前も考えないといけません。そして来週には発芽のご報告がしっかりできればいいのですが。でれろん。
(739日目 ∞ 5月2日)
- 奥田亮 ∞ 1958年大阪生まれ。中学生の頃ビートルズ経由でインド音楽に触れ、民族音楽、即興演奏に開眼。その後会社に勤めながら、いくつのかバンドやユニットに参加して音楽活動を続ける。1993年頃ひょうたんを栽培し楽器を作って演奏を始め、1997年「ひょうたんオーケストラプロジェクト」結成、断続的に活動。2009年金沢21世紀美術館「愛についての100の物語」展に「栽培から始める音楽」出展。2012年長野県小布施町に移住し、デザイン業の傍ら古本屋スワロー亭を営む。2019年還暦記念にCD『とちうで、ちょっと』を自主制作上梓。